有吉尚子です。こんにちは!
楽典を一緒に読んでみましょう!のシリーズ、今回はp.115の「移調と転調」からいきますね。
この項目ははっきり言って実際にやらなければどうにもなりません。
「楽典の本をまだ持ってないよ」という方はこちらからどうぞ!
楽典―理論と実習
石桁 真礼生 , 末吉 保雄 , 丸田 昭三 , 飯田 隆 , 金光 威和雄 , 飯沼 信義 (共著)
まず移調と転調の違いですが、これは本に書いてある通りで特に問題なくわかると思います。
クラリネットやサックスなど移調楽器を演奏される方なんかは得意なあたりかもしれませんね。
調というのはその作品の雰囲気を決定付けるのでむやみやたらと違う調に移調して演奏するなんてことはほとんどありません。
例えばG-durで書かれた爽やかな明快な作品も半音ずらしたFis-durにでもなれば何だかくぐもった音のスッキリしない雰囲気になります。
作曲家が意味があって選んだ調をわざわざ変えるというのはよっぽどの必要があってのアレンジということになるんですね。
そんな中で移調が必要になるのはポピュラー作品で歌い手の声域と合わなかったりする場面です。
あとはホルンでinCの楽譜を演奏するとか、クラリネットでサックスの楽譜を読むとか、実音でなく記譜で書かれたスコアを読む時とか、そんな場合に移調の能力は必要になります。
転調は単純に曲が前の調から次の調に進むことですね。
この前提を頭に入れた上で、譜例28を見てみましょう。
a-mollのフレーズがd-mollに移調されていますね。
以前音階に番号を振る考え方を「番号唱」という名前でご紹介したのを覚えていますか?
C-durならドが1、レが2、ミが3…シが7。
F-durならファが1、ソが2、ラが3…ミが7。
という主音から番号を振るやり方、思い出してみてくださいね。
そしたらこの譜例28のa-mollの方、これの各音にラを1、シを2…という風に番号を振ってみたものが書いてある楽譜の下のローマ数字の部分です。
下の段のd-mollも同じですね。
音階を番号に直して移調したい調の番号の音に変えていくと、簡単に移調ができてしまうというわけです。
同じやり方が譜例29の他の例として書かれているので、これも確認してみてくださいな。
これはスコアを読むようなときにすごく役に立つやり方なのでぜひ覚えておいてくださいね!