自然に湧き上がってきたものを自分が感じるままに表現する、それができたらいいですよね。
では自分が揺らしたいと思う通りにテンポを巻いたり緩めたりして結局元のテンポには戻らない、そんな演奏はどうでしょうか。
それはたしかに感じたままかもしれません。
でも、聴いている方からするととても気持ち悪いですね。
なぜなんでしょうか。
理由のひとつは基準となるテンポがはっきりしていないこと。
テンポを決めるというのは演奏表現のひとつなのですね。
どんなテンポで演奏するのか、その曲をどんな風に思ってるのか、そういうことがテンポ設定から見えたりするのです。
それが無いというのはたしかに気持ち悪いでしょう。
さらに、速くなったり遅くなったりなどテンポを揺らすということは基準になるテンポに対してどうか、というのが前提にあるものです。
基準が何もなければ速いも遅いもあったもんじゃありません。
ただ不安定なだけですね。
それも聴いているときに感じる気持ち悪さのひとつといえるかもしれません。
思ったように演奏することってただ感情任せに流されるんではなくまずは基準があってこそなものなのですよね。
何かのヒントにしていただけたら嬉しいです。