アレクサンダーテクニーク 練習 身体の仕組み

指に関係する関節あちこち

前回の記事では指の動きはより軸に近い部分がどうなっているかに影響を受ける、というお話でした。

では指より軸に近い身体側で腕の関節って何があるでしょうか。

・手首
・ひじ
・肩

それだけでしょうか?

他には

鎖骨
肩甲骨

このふたつも腕の仲間です。

だから胸鎖関節も腕の関節と言えるのですね。

肩甲骨は背中側に関節はなく鎖骨としか接していません。

肋骨とは接してないのですね。

肋骨の上の筋肉に乗っているだけで骨としては隙間があるだけ。

関節もなにもないので左右上下前後どこにでも好きなだけ動けます。

だから肩甲骨が背中に張り付いてると思い込んでいれば脳からは「肩甲骨を一ヶ所に固めておけ!」という指示が出ます。

この指示は楽器の演奏には役に立ちません。

また、鎖骨も胸鎖関節から前後上下に動けます。

試しに自分で鎖骨を触りながら腕を挙げたり下げたりしてみましょう。

かなりダイナミックに動いてるはずです。

腕が動くのは肩から、と思っていると脳からは「胸鎖関節から鎖骨が動かないよう固めておけ!」という指示が出て、これも楽器演奏には有害なことも。

そしてひじ、肩、胸鎖関節など「関節」というのはそこから折り畳む動きをするときに動きは効率的ですが、関節の隙間を縮めて短くするのには不向きというか動きが悪くなるだけでそういう機能はありません。

ファゴットやサックスの右手、トランペットやトロンボーンの両手(スライドを動かす右手は特に)、フルートの左手は特に関節を縮めるのでなく折りたたむことが役に立ちますが、細かい運指が必要な場合も大きい軸に近い関節を動けるようにしておくか固めておくかで指の自由度がまったく変わってくるのです。

指が動きにくいのは指だけの問題ではなく、関連した近くの関節に「動くな!」の指示が出ている可能性、気を付けてみてくださいな。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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