アナリーゼ ソルフェージュ 音楽理論

聴いてどう感じるかを裏付ける理論

楽典を一緒に読んでみましょう!のシリーズ、今回はp.130の譜例44を見てみましょう。

この譜例、パッと見たところファにシャープが付いているので理論で考えるとG-durのような気がするかもしれませんね。

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では声に出して歌ってみましょう。

上手く歌えなければピアノかアプリか楽器か何か音程のわかるもので音を鳴らしてみます。

最後にどの音に行きつきたい感じがするでしょうか。

実際に音を出してみるとCの音で解決したい感じがするのではないでしょうか。

このFisは飾りとしての刺繍音なので音階本来の音ではないのですが、どれが音階本来の音なのかまたどれがそうじゃないのかを裏付けられることを目的に旋律は書かれているわけじゃありません。

必ずしもフレーズの中で理論的に分析できるだけの材料が揃ってるとは限らないのですね。

そして大抵のフレーズは歌えば何調かわかります。

というと個人的に思い出すのがソルフェージュの先生から「わたしたちは歌えばわかるけど生徒を教えるときにはそんなこと言っちゃダメよ。」と釘を刺されたこと。

ちゃんとしたソルフェージュの教育を受けてなければ歌ってもわからないのは自然なことだからです。

そして歌って何調かわかるのなら理論的な分析は必要ないわけです。

逆に歌ってわからないなら、分析してみる必要があるのですね。

また、音楽は誰かに聴いてもらってこそ意味があるものなので、分析がゴールではなく書いてあることをどう聴かせたいか自分でわかるために分析が必要になるんです。

奏者がわけがわからないと思っていたら、お客さんに意味が伝わるわけはありませんからね。

ということで本にも書いてある通り視唱能力をつけることがまず第一、それを裏付けるために理論も知っておきたいのですね。

まずはソルフェージュが出来て、それを助けるものが楽典や音楽理論だということ、忘れないでおきたいですね。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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