有吉尚子です。こんにちは!
真似をするという学び方は音楽では特によく見られるものではありますが、その真似をする仕組みに上手くいかない原因が潜んでいる、ということを著書で書いたのはアレクサンダー・テクニークの原理の発見者であるF.M.アレクサンダーさんです。
F.M.が書いてるところによると真似したくなるのは目立つ特徴に気付いたときであり、上手くいってることというのは得てして目立たないのであまり真似されない。
そして良い点より悪い点が人の興味を引きやすいものなので変なことが真似されて障害を引き起こすということがとてもしばしばあるそうです。
世の中の全部のケースが当てはまるわけではないでしょうがなるほど確かに特徴的な動きは気になるので無意識に真似をしてみている瞬間はあるし、モノマネの対象になるのも続けたら身体の負担になりそうな機能的でない動きが多いようです。
その先生が自然に行っている演奏に良い影響のある動作より、不都合を生み出す可能性のある変なクセが目を引きますもんね。
そして著書の中では
「見本を見せたとしても生徒が真似するのは目立つ悪い部分であることが多い」
「先生が長年続けてきて故障で困ったことのある練習を自分が経験したことだからと正しいと信じて他人に伝えるのは危険もはらんでいることだ」
ということも述べられています。
絶対にダメだと思うことを伝える人はいないし、完全に誰にでも安全な奏法も存在しないものですが、教えるときには自分で過去にその奏法でどんな経験をしてきたのか、振り返ってみるのも必要かもしれませんね。
そして素晴らしい演奏に出会ったら「あの名手を真似よう!」なんて思うのは自然な心の動きでもただコピーするのではなくそれが何を引き起こすのか、自分に合うのかどうか、そんなことも考えてから取り入れたいものですね!