録音と生音の違いを前回の記事で書きましたがもうひとつジャンルの違いも音楽を聴く時に条件を混同しやすいことのひとつです。
例えばクラシックのコンサートを大きなホールで聴くのだったら、
・ホールの反響音あり
・出音に加工は特にされてない
・遠くの席までちゃんと届く吹き方
・客席は静まり返っている
・座る席によって聞こえ方が違う
という条件でしょうか。
では違う例として飲食可能なライブハウスでのジャズライブなら
・マイクを使いスピーカーから出る音は音質の加工が可能
・マイク乗りの良い吹き方をする
・客席はざわついてることもある
・どの席でも同じに聴こえるようスピーカーなどで工夫されている
他にもあるかもしれませんがこんなところでしょうか。
クラシック奏者に比べるとジャズ奏者が薄めのリードを使うというのもこういう状況の違いに対応するためなんですよね。
上手い下手の問題ではもちろんありません。
そういう場面による違いを無視してベニー・グッドマンの音は柔らかくて良い音だけれどカール・ライスターの音は鋭いから好きじゃない、なんていうのはちょっと滑稽なことですね。
同じ条件で同じ効果のために同じ吹き方で演奏しているというわけではありませんからね。
メリーゴランドと飛行機の乗り心地の違いを良い悪い言うのと同じようなことだと思います。
ちなみにわたしはこの人の音は素敵だなと思ったら大きなコンサートホールでもできるだけステージに近い前の方の席に座って、反響音より生音がどうなってるかに注意を払うのが参考になって好きな聴き方です。
音を商品にするためにどんな奏者がどんな場所で何のためにどんな吹き方をしたか、どんな加工がされているのかなんてことを考慮に入れて聴いたら耳の使い方も自然と変わりますね。