コミュニケーション ソルフェージュ レッスン 合奏・アンサンブル 練習

ハーモニーを合わせる秘訣

有吉尚子です。こんにちは。

今回は音程・ハーモニーのお話です。

音楽をやる上で考えない訳にいかない要素のひとつですね。

ハーモニーを作るときに長3和音なら第3音を少しだけ低めに、なんていうことは
よく言われます。

こういう音程の微妙な操作はなぜ必要なのでしょうか。

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もちろん純正律で調和させるためということなのですが、自分の出した音が調和しているかどうかはどうやって知りますか?

本番中、チューナーで測る、なんてわけはありませんよね。

わたしたちは自分の耳で周りの音と比較して調和しているのか、外れて浮いてしまっているのかを知ります。

そのために不可欠なもの、それはアンサンブルする相手。

無伴奏のソロだとしても自分が数秒前に出した音との関連で次をどうするか決めていきます。

音楽の本質はコミュニケーションだと思います。

相手が少しだけ高めの音程で来たら自分だけチューナーで正確な音程を出したら不協和な和音になります。

そんなとき、何を基準に合わせたらいいでしょうか。

楽器の特性やそのときの体調など色々な要素がありますが、基本的には「お互いに寄り合う」というのが大切です。

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アンサンブルはどちらが正しいとかどうとかということではありません。

耳をよく使って相手の出方をうかがいあって、動かしやすい方が動かしたり譲り合ったりしながら寄り添い合うのです。

どちらか片方が相手の反応を全く気にしていなかったら、コミュニケーションは成立しませんからね。

相手がどう来たのかを聴き取るための耳の繊細さとそれに反応する技術というコミュニケーション能力を高めるのがソルフェージュです。

チューナーを目で見て合わせた音程は耳ではろくに聴いていないから何度やっても同じところが合わない、なんてことが起きてしまいます。

ハーモニーを作るとき、ぜひチューナーは使わず耳で合わせるという練習をしていきましょう。

最初はもちろん注意して聴いてもわからないということもあるでしょう。

そこで安易にチューナーに頼ったら台無しです。

根気よく繰り返す内にだんだんと聞き取れる情報が増えて、繊細で正確な音程コントロールができるようになっていくものです。

チューナーは自分の音がどういう傾向になりがちなのか、どのくらいコントロールしたらどこまで変えられるか、そういうことを知るためのツールとして使うようにしましょう。

せっかくの生身の相手とアンサンブルできる機会があるならそれを活かしながら耳を育てて行きたいですね。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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