アレクサンダーテクニーク 思考と心 練習 身体の仕組み

間違えたら取り敢えずやり直す習慣

練習していて間違えたとき、「今のはたまたまだからもう一回」なんて反射的にやり直してはいないでしょうか。

実はレッスンのときにも結構よく目にします。

ミスを無かったことにする反射的なやり直し癖、これは練習を進める上であまりオススメできません。

というのは、間違えた動作も脳は覚えてしまうということだけでなく、練習のための大切なプロセスが抜けてしまう習慣を作るから。

練習というのは、演奏したいイメージに対して出来ない原因になっていることを試行錯誤しながら解決していく作業です。

そのときに間違えたということは貴重な情報になるのです。

自分の身体で何を意図して演奏したら上手く行かなかったのかというのは、他人である先生の体験を知るよりずっと自分のオリジナルの方法を見つける助けになります。

間違えたら、それは貴重な情報です。

せっかくなら上手く行かない方法のサンプルをたくさん集めましょう!

そうしたら本番など上手く行かせたいときに選択したくないものがはっきりしていきます。

それにどういう意図で吹いたらどんな音になるということを覚えておけば、別の場面で使えるアイデアにもなるでしょう。

練習では、上手く行かなかった方法の何を変えたら上手くいくのかを実験しましょう。

実験は必ずしもいつも成功するとは限らず、逆にさらに上手く行かない方向に行くかもしれません。

そうしたらその情報を基にして反対方向に再度実験です。

そうやってどんな意図・手順で演奏したら上手く行くかがわかってきます。

頭を使って身につけたことは再現性があります。

「たまたま間違えたから次はたまたまできるかもしれない!もう一回!」

それでたまたま成功したとしたら、本番など大事な場面で上手くやるための意図や手順はわからないままです。

まぐれを期待するのは練習ではなくただのギャンブルです。

・成功したのかそうでないのか

・何を意図してどんな手順を取ったのか

情報を整理して次にやることの意図を明確にしてから改めて次のチャレンジをする習慣をつけると、「とにかく成功するまで繰り返す!」という場合よりずっと短時間で精度の高い練習ができますよ。

ぜひ取り入れてみてくださいね!

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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