アレクサンダーテクニーク 思考と心 身体の仕組み

「絶対やる!」と思うと逆効果

 

アレクサンダーテクニークのレッスンでは、行いたいことのための自分への指示としての言葉を「○○をしないように」ではなく「△△をする」と言い換えることをします。

これは肯定形の方が身体に対して指示が通りやすく、実際の動作として動きやすいというのが理由です。

それでは、より強く『やる』と念じるために「絶対△△しなければならない!」と考えるのはより良いのでしょうか。

 

 

例えば風邪を引いたりしたときに、「絶対寝ていなければならない」と思って横たわっている場合と「そうしたいなら寝ていてもいい」と思って横たわっている場合では、どちらが快適に休めるでしょう。

どちらかというと「寝ていてもいい」と思ったときの方が気が楽でよく休めるのではないでしょうか。

人は自分からでも他からでもなにか強制されると抵抗するようになっているそうです。

それは性格とか育ちなどではなく、人間に備わった性質だそう。

合奏の練習日なども「今日は行かなければならない」と思うよりも、「行っても行かなくてもいいけど行くことを選択する」と思った方が行く気になるのではないでしょうか。

より強く「やらなければ!」と思うと逆効果になってしまうのはなんだか不思議ですよね。

これは「○○しないよう△△をする」という言葉には「△△以外してはいけない」「失敗することは許されない」というニュアンスを含むから。

思考のどこかに禁止や否定の意図があると、身体全体の動きやすさが変わってしまいます。

 

 

 

強制には何かを禁止や否定する意図が含まれているために、「やりたくない、動きたくない」と感じてしまいます。

どうしてもしたいことがあるなら「絶対やる!」と思うより、「これをすることを選択する」という思考の方がよりやりたくなるでしょう。

強い肯定の表現ならいいかと思うと実はそういうものではなく、いくつかの選択肢の中から自分で選ぶというのが大切なプロセスなのは興味深いですね。

色々な場面でぜひ試してみてくださいな。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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