思考と心 練習 身体の仕組み

休むこととサボること

 

「楽器の練習は1日休んだら3日分下手になる」とはよく聞くでしょう。

ではお休みの日も練習は休まず続けた方がいいのでしょうか。

音大受験生なら土日もお盆もお正月もなく練習するのが当たり前です。

そしてそれができる時間やお金、体力や家族のサポートなどがあります。

でも大人になるとそうはいきません。

平日に仕事をした疲れを土日には取らなければならないし、家事や楽団の練習があったり、子供のお世話が必要だったり。

音楽だけやっていればいいという場合と比較して、時間も体力も使える量は限られてくるでしょう。

そんな中で、休まないで練習する方がいいのか?という質問を改めてもう一度考えてみます。

確かに筋力維持や新しい奏法を身に付けるという目的を考えるなら休まない方がいいでしょう。

ただし、疲れてしまっていたり別のことが気になっていたりなどの状況で、新しい発見や喜びのない義務的な練習になるなら?

それならむしろ休んだ方がいいかもしれません。

「楽しい!」「もっとやりたい!」というポジティブな気持ちで向き合うのでなければ、細かい部分への注意力も落ち、せっかく練習したことの脳への定着も悪くなってしまいます。

そんな状態でも「絶対練習する!」と心がけるのは果たしてどうでしょうか。

義務的にやり続けて音楽や練習がイヤになってしまうよりは、一旦休んで身体だけでなく頭もリフレッシュさせる。

その上で改めて別の機会に新鮮に演奏に向き合うという選択。

それはサボるのとは違った建設的な取り組み方と言えるかもしれません。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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