アレクサンダー・テクニーク 思考と心 身体の仕組み

高めるべき緊張と落ち着かせるべき緊張

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本番前や合奏中に当てられて一人で吹かされるときなど演奏者が緊張を感じる場面はたくさんあるものです。

緊張したら「落ち着いて」と自分に声をかけている方もきっと多いでしょう。

でも緊張は本当に落ち着かせた方が良いのでしょうか。

高めたほうが良い緊張と落ち着かせた方がいい緊張

緊張はパフォーマンスを良くするための大切なエネルギーなのでせっかくなら落ち着かせないで使った方がいいもの、という場合の緊張とはアドレナリンが出ているちょっとした興奮状態のこと。

これは動きをスムーズにしたり痛みや不具合を感じにくくさせるパフォーマンスの味方になるエネルギーです。

反対に落ち着かせた方がいい緊張というのもやはりあるもの。

それはどんなものかというと身体が固くこわばって身動きしにくくなったり、視界が狭くなって周りが見えなくなったり、という反応が起きているとき。

つまり怯えているときです。

何かに怯えている状態では演奏がうまくいくことは困難なのでその場合はリラックスしたり身体をほぐしたりするのが必要になります。

緊張と興奮は別のもの

そもそも全く違う種類の反応である興奮と怯えを一緒くたにして「緊張」と呼び、とにかく落ち着こうとするのは間違いなのです。

興奮はせっかくの演奏のための燃料なので鎮めたりせずむしろさらに高めて行きましょう。

反対に怯えは解消しておく必要があります。

ひとことで「緊張」としてまとめず今自分に起きている反応がどちらでどんな対処が必要なのかは冷静に見て行きたいものですね。

成功するときと失敗するとき

演奏のときには興奮は燃料なのでどんどん使った方がいいものです。

とはいっても興奮のあまりテンポがどんどん加速してしまったり震えが出てきたり思わぬところでミスしたりするのは困りますよね。

興奮を利用するといっても闇雲に気分を盛り上げればいいというわけではありません。

使い方にもコツがあるのです。

本番のときに興奮が高まって加速したり譜面を見失ったり震えてしまったりなどおかしなことが起きてしまうとき、あなたは一体どんなことを考えているでしょう。

失敗しがちなときは

上手くいかないとき、もしかしたら

「絶対上手く行かせよう!」

「良いところを見せてやる!」

「どうしても合格しなくちゃ!」

ということを考えてはいないでしょうか。

こういう思考のときは得てしてあまりうまくは行かないものです。

うまくいくときは

反対に興奮しながらも

「ここで指をこうやって」

「息をこうコントロールしよう」

「頭に浮かんでる情景を描こう」

という考えを持って演奏したらどうでしょうか。

実はこちらのほうが上手くいく確率が高いのです。

上手な興奮の使い方

なぜ同じ興奮でも結果に違うが生まれるかというと、上手く行かせよう系の思考では身体が具体的にどんな動きをしたらいいかがあやふやだから。

反対に実際に動きとして出来ることを身体への指示として出す方が、その通りに動けるのでうまくいきやすいものなのです。

上手く行かせたいならとにかく興奮して自分を煽ればいいというわけではなくてアドレナリンなどの燃料を使ってどんなことをするのかが明確になっている必要があるのですね。

興奮の暴発を起こさないために

興奮したときに何をすればいいか明確でなければその燃料は余って余計なエネルギーになってしまい震えになったり加速を招いたりなど暴発してしまいます。

暴発しないようにとエネルギーを抑えようとしてもそれはうまくいきません。

もう出ているアドレナリンは引っ込められないのですから。

高まったエネルギーの適切な出口を用意すること、試してみてくださいね。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。

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