アレクサンダーテクニーク レッスン 思考と心 練習 身体の仕組み

問題解決のつもりでバランスを崩す

 

アレクサンダーテクニークについてこのメルマガでは何度も書いていますが、これはF.M.アレクサンダーさんというオーストラリア人で、朗唱家という今で言う俳優さんのような仕事をしていた人が発見した原理のことです。

そのF.M.と呼ばれてた彼がアレクサンダーテクニークについての本を何冊か出しているのですが、その中で興味深いことをたくさん書いています。

わたしが読んだのは一般向けに出版されているものではなく、アレクサンダーテクニークの講師養成クラスで独自に翻訳されたバージョンなのでご紹介はできませんが「これは!」と思った内容を抜粋してこちらではご紹介していきます。

今回ご紹介するのは、「問題がある動きを見つけたとして末端だけ直そうとしてもなかなか上手くいかず、バランスが崩れてなお悪くなることさえある。」ということを書いてた部分です。

これは楽器演奏をされる方には実感を伴ってうなずけることなのではないかと思います。

例えばリードが重くて薄い番号にしてみたけれど音が軽くなってしまってベストな解決には繋がらない、など。

このときに本当の問題は吹き込みに使える筋肉が適切に働いていないことだとして、リードを薄くするのは根本解決に繋がるどころか新たな問題が出てきてしまうきっかけになってしまいます。

他にも肩コリするのは普段の習慣的な動きの選択が問題なのに、「この姿勢が良いらしい!」と聞きかじって試してるうちに腰痛まで出てきてしまったり。

そういうようなことって結構あるあるですよね。

身体の使い方に問題があって不都合が出てきているなら、その部分の使い方だけでなく身体全体が協調して、やりたいことに対する適切な動きを選択できるようにすることが必要です。

一箇所の問題を表面的には小さく見えにくくしたとしても根本解決に繋がることをしていなければ問題を隠しただけで、その問題隠しのために身体全体がさらにおかしなバランスになってしまう可能性もあるのです。

レッスンのときや自分が練習するようなときにも、問題の一時的な解決によってお茶を濁すのではなく、原因をきちんと見ていきたいものだなと思いました。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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