コミュニケーション ソルフェージュ レッスン 合奏・アンサンブル 練習

メトロノームでは身につかない正しいリズム

Pocket

音楽の本質はコミュニケーション、ということを以前の記事でお話しました。

ではリズムについても音程と同じことが言えるでしょうか?

有吉尚子です。こんにちは!

クラシックの作品ではリタルダンドや細かなルバートがニュアンスとしてたくさん使われますね。

5118_ztyxowjmztk4mta1o

繊細な揺らぎをお互いに聴き合い寄り添い合うというのは、ハーモニーを作るときと全く同じです。

とはいえルバートをしていいと言っても気まぐれに無限に遅くなったり速くなったり、というのは作品全体の整合性やアンサンブルのしやすさが崩れてしまいますね。

リズムの揺らぎを揺らぎとして感じるためには基準が必要です。

その基準というのは作品の持つテンポ感。

一定のテンポ感を共有した上で、速くなる部分があれば取り戻すようにゆっくりする。

また反対にゆっくりになる部分があれば元のテンポに戻るように前に進む、という行ったり来たりがルバートです。

もしも基準のテンポがなければ、戻っていく場所もありませんからどこまでもズルズル遅くなったり、とんでもない速度になって崩壊したり、ということが起きてしまいます。

そして一定のテンポを共有するために必要なのはメトロノームではなくて各自のソルフェージュ能力です。

(当たり前ですがメトロノームは本番では使えません)

人間は歩くことや心臓の鼓動などからして、そもそも一定のリズムで動くことはできます。

5118_mmu3nthiotkyzwezz

でも日常では精密なテンポを聴き取ったり表現したりということはまずなく大雑把な感覚で過ごすことがほとんどなので、精度を上げるにはやはりそれなりに訓練が必要です。

これは機械のようにテンポを刻めることが目的ではなく、小さな小さな揺らぎを聴いてキャッチするために感覚を繊細にしていく、ということです。

それができるようになると、アンサンブルで誰かがリタルダンドをかけ始めるよりも早く、におい始めた気配を察知して寄り添えるようになります。

ものすごい名手とのアンサンブルがとても快適なのは、そういう研ぎ澄まされた感覚でコミュニケーションを取ろうとしてくれるからなんですね。

自分のテンポが一定なのかそれともどこかに揺らぎがあるのか、そういうことを知るためにはメトロノームは役に立ちます。

でもチューナーと同じでテンポキープをメトロノームだけに頼るのは自分の基準があいまいになるので危険です。

ぜひ注意してみてくださいね!

メール講座では演奏に必要なスキルについてさらに詳しく毎日無料でお届けしています。ぜひ読者登録してくださいね!
完全無料

受信形式

HTMLメール

文字メール

  • この記事を書いた人
有吉 尚子

有吉 尚子

クラリネット奏者。 栃木県日光市出身。 都立井草高等学校卒業。2007年洗足学園音楽大学卒業。2009年同大学院修了。 クラリネットを大浦綾子、高橋知己、千葉直師の各氏に、室内楽を平澤匡朗、板倉康明、岡田伸夫の各氏に師事。 ミシェル・アリニョン、ポール・メイエ、アレッサンドロ・カルボナーレ、ピーター・シュミードルの各氏の公開レッスンを、バスクラリネットにてサウロ・ベルティ氏の公開レッスンを受講。 受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。 及川音楽事務所第21回新人オーディション合格。 2010年より親子で聴ける解説付きのコンサ-ト「CLARINET CLASSICS」~クラシック音楽の聴き方~をシリーズで行う。 2015年、東京にてソロ・リサイタルを開催。 オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動を行っている。 また、ソルフェージュや音楽理論、アレクサンダーテクニークなどのレッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 音楽教室N music salon 主宰。

-コミュニケーション, ソルフェージュ, レッスン, 合奏・アンサンブル, 練習

© 2021 聴く耳育成メソッド