譜読みっていうのは楽譜に書いてある通りに音符を並べるだけではなくてそこに音楽を仕込むことだってお話を前回の記事でしました。
今回はその音楽を仕込む練習の仕方について書いてみます。
テンポが上がってから抑揚を付けていこう!
なんて思ってひとまずテンポ上げに専念して音楽は後で・・それではダメなんです。
なぜならひとつひとつの音に表情をつけるってことは、それだけ微細なコントロールのスキルが必要だから。
ゆっくりのテンポのときにそれをしていなかったのに、速いテンポになっていきなりその微細なコントロールが果たしてできるでしょうか。
出来るわけがありませんよね。
じゃあなぜゆっくりのときに表情や抑揚を付けて練習しないでしょうか。
ゆっくりだと雰囲気がつかめない?
でも速く吹いたら雰囲気を感じる心の余裕があるのでしょうか。
「速くてかっこいい」以外に何か感じることは出来るのでしょうか。
最初から速く吹いていたら細部まで気を配れないから仕上がりの精度が落ちます。
ゆっくり練習するときに微細な色合いの変化や抑揚をどうつけたくなるかに注意を払わなければ音楽的にやりたいことははっきりしないままではないでしょうか。
ゆっくりのときから作品のどこがどんな風な抑揚を求めているか注意を払って探しながら、表情をつけて一音一音に音楽を仕込んで行くのが練習です。
作品の良さは放っといても自然に感じるものかもしれません。
でもなんの注意も払わなくてもキャッチできる情報ではなく、ちゃんと注意を払った人にだけ見えてくるものなのですね。
そしてそれを音楽表現として細かなコントロールをして再現できるのはそのためにきちんと準備した人だけ。
世の中には楽譜の読み込みが速くて初見で作品のどこをどうしたいかわかる人も、それを音にするためのテクニックが完成されているから長時間の練習を必要としない人もいます。
でもそれは偶然でも才能でもなくどれだけ細かなところまで作り込む意図を持っているかです。
何にも考えてないし何にも努力してないわけじゃないんですね。
譜読みをするときには参考にしてみてくださいね!