楽典を一緒に読んでみよう!のシリーズ、今回はp131の調性判断の問題解説です。
前回に引き続き問題22を見てみましょう。
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楽典―理論と実習
石桁 真礼生 , 末吉 保雄 , 丸田 昭三 , 飯田 隆 , 金光 威和雄 , 飯沼 信義 (共著)
これは転調していますが、気になるのはそれよりもアルト記号で書かれていることかもしれません。
アルト記号の見方はどんなだったか覚えていますか?
記号の真ん中のトンガリが「ド」になるのでしたね。
例えばト音記号でinCの楽譜をB管の楽器で吹くときと同じ読み方(調号は違いますが)になるのでした。
調については一見したところ臨時記号の様子から前半と後半で違っていそうです。
ではまず前半から見てましょう。
3小節目に跳躍した♯ドがあってこれは音階固有音のようです。
でもシャープ系の調ならドより先にファにシャープがついてるはず。
ところが同じ3小節目でナチュラルのファが跳躍してます。
ということはこの♯ドは短調の導音なのでしょう。
♯ドが導音の短調はd-moll。
そう思って見てみると1,2小節目にある臨時記号、♭シはどちらとも考えられますがどちらも次の小節のラに向かうオシャレであって、音階固有の音と言い切ることはできなさそうです。
ということでd-mollと考えて間違いはなさそうですね。
次に後半です。
パッと見たところ下の段2小節目に跳躍した♭シがあります。
そして次の小説に跳躍したミがありフラットはついていません。
ということはフラット1つの調と言えそうです。
そしたら長調か短調か調べるために短調の導音を探します。
フラット一つの短調はd-mollなのでドにシャープが付いているかどうか見れば良いわけですね。
そして下の段1小節目に跳躍したドのナチュラルがあるのでこれは短調ではなさそう。
ということで後半はF-durです。
この問題の答えはd-mollからF-durに転調している、となります。
つまり同じ調号の平行調という近親調に行っただけなのですね。
平行調はお互いに近い調ですが、一番戻って来たいゴールになる主音は違ってるのがミソ。
平行調なら旋律の行き先は変わるのですね。
興味深いところです。
慣れてくると調性はやればやるほど簡単に見分けられるようになるのでぜひたくさんやってみて下さいね!