楽典を一緒に読んでみましょう!のシリーズ、今回はp.130の譜例44を見てみましょう。
この譜例、パッと見たところファにシャープが付いているので理論で考えるとG-durのような気がするかもしれませんね。
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では声に出して歌ってみましょう。
上手く歌えなければピアノかアプリか楽器か何か音程のわかるもので音を鳴らしてみます。
最後にどの音に行きつきたい感じがするでしょうか。
実際に音を出してみるとCの音で解決したい感じがするのではないでしょうか。
このFisは飾りとしての刺繍音なので音階本来の音ではないのですが、どれが音階本来の音なのかまたどれがそうじゃないのかを裏付けられることを目的に旋律は書かれているわけじゃありません。
必ずしもフレーズの中で理論的に分析できるだけの材料が揃ってるとは限らないのですね。
そして大抵のフレーズは歌えば何調かわかります。
というと個人的に思い出すのがソルフェージュの先生から「わたしたちは歌えばわかるけど生徒を教えるときにはそんなこと言っちゃダメよ。」と釘を刺されたこと。
ちゃんとしたソルフェージュの教育を受けてなければ歌ってもわからないのは自然なことだからです。
そして歌って何調かわかるのなら理論的な分析は必要ないわけです。
逆に歌ってわからないなら、分析してみる必要があるのですね。
また、音楽は誰かに聴いてもらってこそ意味があるものなので、分析がゴールではなく書いてあることをどう聴かせたいか自分でわかるために分析が必要になるんです。
奏者がわけがわからないと思っていたら、お客さんに意味が伝わるわけはありませんからね。
ということで本にも書いてある通り視唱能力をつけることがまず第一、それを裏付けるために理論も知っておきたいのですね。
まずはソルフェージュが出来て、それを助けるものが楽典や音楽理論だということ、忘れないでおきたいですね。