有吉尚子です。こんにちは!
・音の変化や違いを聴き取れること
・変化や違いが理想に近づいたのか遠ざかったのか判断できること
音楽においての耳の良さはこの2つだというお話を前回の記事でしました。
今回は二つ目の
「変化や違いが理想に近づいたのか遠ざかったのか判断できること」
これについて考えてみましょう。
演奏していて、またコンサートやレッスンで誰かの演奏を聴いていて、変化したということがわかったらそれにどんな意味があるかを無意識に解釈してるでしょう。
自分が演奏しているのなら今の奏法をそのまま続けるか新しいやり方に変えるかを選択するにはその変化が望みに近づいているのか離れているのか判断できなければなりません。
レッスン現場なら自分が演奏している場合と同じことですが、コンサートなんかの場合は前後関係や全体のバランスで語られているストーリーが見えたり奏者が曲の中でどんなところを聴かせたいのかわかったりします。
「違いはわかります。でもその意味はわかりません。」
これでは進むべき道なのかそうじゃないのか何とも言えませんし、ストーリー展開なんて見えないので単純な周波数や倍音などの変化だとしか感じられません。
せっかく変化を情報として得たのにその活かし方がわからなければ情報を得ていないのと同じこと。
持ち腐れですね。
そして受け取った情報をどう活かすかは、音楽的な価値観がどんなふうに作られているかに影響されるのではないでしょうか。
音楽も民族によって地域によって何を良いと感じるか違うし、受けた教育や取り巻く文化によって情報は意味が変わります。
その意味がわかるようになるのは才能や突然変異ではなくて意味付けをされる機会に出会ったことがあるからです。
「こんな音はいい音だよ」と教わったことがあるとか、「この歌い方は気持ち悪いね」というのを聞いたことがあるとか、そういう価値基準を作られる経験をたくさんしているからこそ音の変化が良いかダメか自分で判断出来るんです。
・情報を受け取ること
・それを活かせること
これがいわゆる耳が良くなるってことだとわたしは思います。
今回はちょっと堅苦しい話になってしまいましたが、この「耳の良さ」は生まれつきとか才能ではなく身につけようとするかどうかが結果を左右することなのではないでしょうか。
もし耳を良くしたいと思うなら、情報の受け取り方とその活かし方を学ぶことは誰にでもできますよ。