合奏で指揮者が来ない日にメンバーだけでトレーニングをしなければならないような場合、団内トレーナーのような立場に立つことはありますか?
有吉尚子です。こんにちは!
みんなの前で基礎合奏を仕切る、そんな役割りになるとすごく良く耳を使うようになるし、鍛えられるんですよね。
そしてときにはメンバーに音程やタテを合わせることなどアドバイスをしなきゃならないということも多いでしょう。
そんなとき、「みんなの役に立つことを言わなきゃ!」なんて思ってつい普段とは違うアラ探しモードの耳になって出来ていないところを見つけようとしがちではありませんか?
もちろん改善の余地があることに気がつけて修正していけるなら全体が上達していきますからそれ自体は役立つことですね。
しかし。
自分が気付いたことをそのまま伝えるのは必ずしも良いこととは言い切れないんです。
というのは、合わない音程で吹いている本人もなんだか合わないなとはわかっていてモヤモヤしていたり、人前で指摘されることで萎縮してしまうタイプだったりなんてケースがあるから。
それに出来てないことを出来てないねと安易に指摘してすぐに直るなら、そもそもズレたりしないかもしれませんよね。
そんなとき、個人的に指摘したりしてメンバーのモチベーションを下げずに良い方に向かわせるにはどんなことができるでしょう。
例えば合ってない和音の構成をみんなで確認してみたり、
誰がハーモニーの中心になって誰がそこに寄って行くかの役割り分担を決めたり、
発音を合わせたい瞬間の一音だけをせーの!で鳴らしてみたり。
工夫次第で色んなことが出来るし、トレーニングスキルのある先生が普段やっている進め方から参考に出来ることもたくさんあるんですよね。
はっきり言って指摘だけなら誰でも出来るんです。
日常会話なら気付いたことをそのまま伝えるだけなんて大人はやりませんね。
見たままなんの工夫も配慮もなく「きみ鼻毛出てるね」なんていうのは子供だけです。
合奏トレーニングもそれとまったく同じ事なんですね。
指導力というのは自分のアンテナの精度が高いのはもちろんのこと、それだけでなく結果として全体が良くなるためのコミュニケーションスキルも大切な要素になっていますね。
前に出て仕切らなきゃならない時、参考にしてみてくださいね!