アナリーゼ 音楽理論

短音階に臨時記号がついてるワケ

有吉尚子です。こんにちは!

楽典を一緒に読んでみましょう!のシリーズ、今回はp.96の「短音階」の項目からみてみましょう。

短音階っていうのは基本的に長音階と比べると主音から3番目、6番目、7番目の音が半音低くなったものです。

だから長音階とは全音半音の関係が変わるんですね。

そして短音階は3種類あります。

3・6.7番目の音が低くなったそのままの音階「自然的短音階」

7番の音が主音である1に近づいて半音上げられた「和声的短音階」

和声的短音階の7番が半音上がると6番目の音と7番目の音が増2度になってしまって離れすぎだから音階を滑らかにするために6番もついでに半音上がった「旋律的短音階」

この3つですね。

旋律的短音階の6番は7番は音階を登っていく時に滑らかに行きたいだけなので、音階を下る時は半音上っておしゃれをする必要はないから下りは半音上がったりせず元の短音階の音に戻ります。

つまり旋律的短音階の下りは自然的短音階と同じなんですね。

ということで長音階に比べると3・6・7の音が半音下がるのが特徴なはずなのに6・7は半音上がったりすることがあるのでその音がどうなってるかで長音階か短音階か判断することはできないんです。

ここで頼りになるのは3番目の音だけ。

大抵の場合、この3番目の音が半音高いか低いかで音階の長短が決まります。

では試しにピアノかアプリか何かで実際に聴いてみましょう。

「ドレミファソ」と白い鍵盤だけでシャープフラット無しに弾いてみます。

別段なんてことはない明るい雰囲気ですよね。

では次に「ドレ♭ミファソ」とミにフラットをつけて弾いてみましょう。

あらららら。

何だかちょっと物悲しい雰囲気に早変わりしちゃいましたね。

この3番の音が変わるだけで旋律の雰囲気がかなり違っちゃうのですね。

ということで今回は短音階の基本的な構造でした。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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