アナリーゼ 音楽理論

ダブルシャープを使う理由

今回は楽典の本の中からドレミの呼び方についてみていきましょう。

本を持っている方は24-26ページあたり。

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普段わたしたちはドレミ・・と音名を考えてるのはイタリア語です。

書き譜(パート譜)では何管の楽器でもだいたい楽譜はドレミで読んでいますよね。

逆にスコアを見るときや他の管の人と話すときは実音で話すことが多いもの。

C(ツェー)、D(デー)、E(エー)など言いますが、これはドイツ語です。

フランス語はほとんど私達が使うイタリア語のドレミと同じなのでとりあえず考えなくて大丈夫。

日本語のハニホヘもあまり使わないので今は特に覚えなくていいでしょう。

なので普段のドレミ読みの他には、とりあえずドイツ語だけ把握しておけば良いでしょう。

ド→C(ツェー)
レ→D(デー)
ミ→E(エー)
ファ→F(エフ)
ソ→G(ゲー)
ラ→A(アー)
シ→H(ハー)

となっています。

シャープ(♯)がつくとこのアルファベットにisがつきます。

C♯ならCis(チス)になるし
D♯ならDis(ディス)になります。

逆にフラット(♭)がつくと、アルファベットにesがつきます。

C♭ならCes(ツェス)になるし
D♭ならDes(デス)になります。

ただしフラット系には例外が3つ。

E♭はEesではなくEs(エス)、
A♭はAesではなくAs(アス)、
H♭はHesではなくB(べー)
となります。

ダブルシャープ(♯♯)ならisが
2つ付きます。

C♯♯ならCisis(チシス)です。

ダブルフラット(♭♭)ならesが2個つきます。

C♭♭ならCeses、
E♭♭ならEses(エセス)、
H♭♭なら例外でBBやBesと言うようですが、これこそほとんど出てこないので(わたしは今まで実際の楽譜で見たことありません)気にしなくて大丈夫です。

わたしたち演奏者はこういうダブルシャープやダブルフラットが実際に楽譜の中で登場したときは「そんなにシャープやフラットをたくさん重ねないで音を2度変えたらいいじゃん!」と思ってしまいがち。

ですが作曲家が各調の音階本来の音からどれくらい離れた変な音を使いたかったのかを知るのに役に立つので、敢えてこの表記にしているのです。

音階の中には無い「変な音」として書いてるのか、シンプルに音階の中の音として書いてるのかで意味は変わるし演奏も変える必要があるので、それがわかるような書き方にしてくれているのは逆に親切なのです。

それから、ジャズやポピュラー音楽でよく使う英語だとCDE・・とドイツ語とほとんど同じアルファベットでシャープやフラットは記号がつくだけとわかりやすいのですがシの音だけは違います。

英語だとシのナチュラルがBと書いてHは使いません。

シのフラットはB♭となります。

アルファベットも読み方が違うだけですが、ドイツ語に慣れたクラシック奏者と英語に慣れたジャズプレーヤーでアンサンブルをするときは「エー」と「アー」は注意ポイントかもしれません。

私は過去にジャズピアニストと一緒に仕事をしたとき、事前に打ち合わせで「この曲はkeyはエーでやろう!」と決めたら本番で私はE-durで、ジャズピアニストはA-durで始めてしまって慌てたことがありました。

本番でやってる調が食い違うとびっくりするので、事前に「シャープ3個の調ね」と確認をしたら良かったのかもしれません。

楽典、読んでみるとけっこう楽しいのでどんどん進めて行きましょう!

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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