アナリーゼ ソルフェージュ 音楽理論

「拍子を感じる」の実際

【楽典を一緒に読んでみましょう!】のシリーズ、久しぶりになってしまいましたが少しずつ進めていきましょう。

今回はp.43の「拍子の記法」から取り上げます。

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4/4や6/8とか拍子記号は楽譜で見慣れている方が多いでしょうから特に解説の必要はないでしょう。

分母に書かれてる拍の単位が分子に書かれてる数だけ一小節に入っているよ、ということですね。

ただし小節線で区切られている部分は音楽の区切り目ではありません。

小節線というものは、直後の音が抑揚のピークになるべき音であるという印です。

だから小節線を越える時にはエネルギーを持って演奏します。

小節線自体についての項目は、見慣れていないものは特にないと思いますのでサラリと通り過ぎてしまいましょう。

p.46に例題があるのでこれはやってみても良いかもしれません。

まずは音を歌ってみて、または楽器やピアノアプリで音を出してみて「強く感じる音はどれかな?」と探して印を付けます。

この時、強く感じる要素は何となくの感覚で判断するのではありません。

和音の変わり目だったり、他の音との関係で特に高かったり低かったり、また長かったり短かったりなど特徴があるというのが「強く感じる(アクセントが付いている)」ということです。

その強く感じる音が周期的な音のまとまりの中心になる音(この本では強拍と書いてますね)です。

その手前に小節線を引いてみましょう。

それで何分の何拍子か一目瞭然にわかるでしょう。

本にも例題のすぐ下に解説が書かれています。

それに納得できたらせっかくなのでp.47の問題2もやってみましょう!

まず強く感じる拍がどれなのか心の中で歌いつつ、または音を出しながら調べます。

ぼんやりした感覚でしか音楽をとらえられなくなるのを避けるため、「何となく強そう」ではなく論理的に説明できる理由で音を選ぶのが大切です。

それが見つかったらその音の前に小節線を引きます。

 

 

この2題はとてもわかり易くて、強く感じる「中心」の音は長く、そこに向かいたい盛り上がりの準備の拍は細かい音で動きを持って書かれています。

そう考えると小節線を引きたいのはどこだかわかって、それによって拍子もわかるでしょう。

次の「拍子に関する演奏上の注意」の項目は記譜と実際の強拍がズレるような例外もあるので柔軟に考えましょうってことが書いてあります。

今回はそんなところにして、次回はp.48の「強起と弱起」からみてみましょう!

楽典は音楽を論理的に捉える視点を与えてくれます。

感覚だけで演奏してきて行き詰まっているのなら、理論面も補強すると納得いく演奏ができるようになっていきますよ!

 

 

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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