「自分は歌心が無い」「良い歌い方がどんなものかよくわからない」そんな風に考えてしまうことってありますか?
そんな風に考えてしまうとしたら歌心やセンスはその人が生まれつき持っているものであって勝手に自然と湧き上がって来る、なんて思っているのではないでしょうか。
ちょっと話は飛びますが人の本来の姿ってどんなものだと思いますか?
何のコントロールもされてない生まれたままの野性状態が人の本来の姿なのでしょうか?
努力して後から作ったものは偽物なのでしょうか?
だとしたらお風呂にも入らず車も使わず病院にも行かないのが人間の本来の暮らしでしょうか。
そんな風には思いませんよね。
衛生のためにお風呂には入るし、車を使ったら便利だし、具合が悪くなったら病院に行く、それはより良い生活を求めて手に入れてきたものです。
話を戻して、「この人はセンスが良いな」「歌い方が素敵だな」と思う人は、天から賜った偶然の産物ではなくたくさんのサンプルを聴いたり歌い方を研究したり、場合によっては門前小僧的に小さい頃から無意識に刷り込まれて身に付けてきたものなんです。
つまりセンスがあるのではなく、これまでにセンスを身につけるプロセスを経てきたってこと。
そしてこれまで歌心を身に付ける機会が無かったのは、サボってたからではなくそういうものだと知らなかったし教えてくれる人もいなかったから。
そういう機会に出会ってそのときに勉強するという選択をしたかどうかなんですね。
その違いによる優劣なんてないし生まれ持ったものの差でもないってこと。
車の存在を知ってるのかどうか、車を使うことを選んだかどうか、そんな違いなのですよ。