楽器演奏って早く始めたほどが有利なんて思われてますが、若いだけが演奏に有利なわけじゃありません。
音楽の演奏というのは楽譜に書いてあることの意味を自分の想像力を使って読み取り、それを再現する作業です。
これはどんな場面かな?どんな登場人物が、いつどこで何をしてるのかな?
なんて想像するのが楽しいですね。
そして色んな場面や情景や心情をイメージするバリエーションを多く持つために役に立つのは、それを見たり感じたりした経験の記憶があること。
あちこちに旅行した思い出や絵画や建物を見た記憶、たくさんの人間関係や恋愛の経験、そういうものがあるからこそ共感する力やイメージする力が豊かになるわけですね。
身体の運動機能は年とともにやはり落ちてしまうものですが、若くないからこそ出てくる発想やアイデアは年を重ねたからって減ることのないどころか、むしろどんどん増えていくあなたの確かな強みなんですよ!
若いときにはスーパーテクニックで知られた奏者も、晩年には円熟した演奏を聴かせてくれたりしますよね。
これから人生経験を積んでいく若い世代のプレーヤーに、「こんな世界もあるんだよ」というのを見せてあげられたら素敵じゃないですか?
曲芸のようなすごいテクニックを見せる曲ばかりではなく、そういう面でもわたしもこれからずっと進化し続けていきたいなと思っています。