アレクサンダーテクニーク 思考と心 本番 身体の仕組み

リラックスするのは本当にいいことか

いつもなんだかめんどくさかったり不自由でやりにくいような動きが何かで腹を立ててる瞬間には不思議と軽々できてしまったり、とても間に合いそうにないと思って急いだら予定より早く終わったとかそんなことはありませんか?

わたしはそんなことって結構よくあるんですがみなさんはどうでしょうか。

普段はなかなか腰が上がらないことも怒ってるときや急いでいるときはなんてことなくこなせてしまう、それっていわゆる「火事場の馬鹿力」というやつなんでしょう。

そんな現象って不思議だと思うかも知れませんが、実は怒ってたり急いでたりするとのんびりくつろいでるときとは違った身体の使い方をしているんですよね。

たとえば。

「今日は寝坊して遅刻だからできるだけ急いで準備しよう!」そんなときにいつもよりゆっくり動く人はいませんよね。

動作は機敏になってるはず。

そして機敏になるために頭や背骨や他の身体のあちこちが動きやすくなっているのではありませんか?

怒ってるときも同じ。

「何度も植木に水をやってって言ったのに!」

そんなときは自分でさっさと水をやってしまうためにきっとテキパキと動けるでしょう。

これもアドレナリンやなんかで興奮して身体の動きが良くなっているパターンの一つですよね。

急いだり怒ったりしたときにのんびりグダグダ動く人は少なくて普通はどちらかというと活動的になっているのではないでしょうか。

では。

大切な本番で身体も楽器もいろんな複雑なコントロールをしたいような場面で「落ち着いてリラックスして」と自分に言い聞かせるのは役に立つでしょうか。

今の話の流れから行くと逆効果になりますね。

瞬間的な反応を求められたり微細な音や仲間の変化に気付く注意力を持っていたい時は「落ち着いてリラックスして」なんてやってる場合じゃありません。

人前での演奏はリラックスして落ち着いてできるほど簡単なことじゃありませんから。

実はピリピリしたり神経過敏のようになったりするのは演奏に役に立つことであり、いいパフォーマンスのために身体が準備していることでもあるんです。

そのせっかくの身体の準備を「落ち着いてリラックスして」と台無しにするなんてもったいない!

どうせならそのエネルギーを使ってパフォーマンスをさらに良くしてしてしまいたいものですね。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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