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自分に合わない楽器の支え方をしてみました

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有吉尚子です。こんにちは!

楽器に初めてさわる頃、先輩や先生のお手本を見て聞いて、たくさん真似をしながら上手になってきましたよね。

その参考にしてきた奏法はきっと人それぞれ違ったことでしょう。

体格も体力も筋肉の使い方も、ちがうのは当然と言ったらそうでしょうね。

もしかしたら、その中に先輩・先生には合うけどあなたには合わない奏法がまぎれこんでいて、今のあなたの演奏を不自由にしているってことはないでしょうか?

例えば、わたしは海外で現地の先生からレッスンを受けたときに「右の親指は根本ではなく先端で楽器を支えなさい」と言われました。

その先生は若くて身長も190センチくらいある体格のしっかりとした方です。

帰国してしばらくはせっかくもらったアドバイスですから試してみていました。

しかし、親指の先端で楽器を支えているとわたしには楽器が重くて長時間持っていられなくなってきたんです。

それでも学生なので練習をする必要があるし、とそのまま無理に吹き続けます。

そして親指で支え切れない分、肩を持ち上げたり腕を固めて動かないようにして補助するようになりました。

そんなことをしていると音質はだんだん鋭く硬くコントロールの融通が利かなくなっていきます。

力みを生んで響きを止めているのですから当たり前ですよね。

親指の先端で楽器を支えると指回りが効率的になるという理由ですすめてくれたアイデアでしたが、指の根本で支えていたわたしは指回りに特に不自由も制限も感じていなかったのに、先端で支える奏法にしたら何だか動きにくくなってしまいました。

楽器を落とさないように腕全体を固めたら指を動かす筋肉は邪魔されるので、まあそれはそうなんですよね。

そのうち慣れるかなと試していましたが3週間ほどで本末転倒なことに気付いたのであっさりそのアイデアは辞め、そうしたら音質も指回りも元通りになりました。

その先生はとても大柄ですから親指の根本で支えると他の指が長すぎて余るんですね。

それに全体的に筋肉も強いから重すぎるという問題も起きず、彼には先端で支える奏法が合っていたのです。

ご自身が自分の骨格体力でうまくいっているアイデアを教えて下さったわけで、もちろん生徒がより良くなることを願ってのことです。

さて、新しいアイデアに接したときにあなたはどうしていますか?

有名奏者が大きな音を立てて息を吸っていたら、腕を引き込んでいたら、それを真似しますか?

クセというのは何かその人固有の意図があってやっているのかもしれないし、本当はやめたいと思ってるのにやめられない習慣かもしれません。

有名人がやってるから、偉い先生が門下生全員にそうさせてるから、そういう理由で特徴的な奏法を取り入れるのは危険です。

何のためにどういう効果があって、それが自分に合うのかどうか、無検証でアイデアを採用せずちゃんと自分で確かめましょう。

ひとつのアイデアが良い効果を出すのか、続けたらケガをしそうな気配があるのか、そういうのは本人でなければわかりませんからね。

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有吉 尚子

有吉 尚子

クラリネット奏者。 栃木県日光市出身。 都立井草高等学校卒業。2007年洗足学園音楽大学卒業。2009年同大学院修了。 クラリネットを大浦綾子、高橋知己、千葉直師の各氏に、室内楽を平澤匡朗、板倉康明、岡田伸夫の各氏に師事。 ミシェル・アリニョン、ポール・メイエ、アレッサンドロ・カルボナーレ、ピーター・シュミードルの各氏の公開レッスンを、バスクラリネットにてサウロ・ベルティ氏の公開レッスンを受講。 受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。 及川音楽事務所第21回新人オーディション合格。 2010年より親子で聴ける解説付きのコンサ-ト「CLARINET CLASSICS」~クラシック音楽の聴き方~をシリーズで行う。 2015年、東京にてソロ・リサイタルを開催。 オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動を行っている。 また、ソルフェージュや音楽理論、アレクサンダーテクニークなどのレッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 音楽教室N music salon 主宰。

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