前回の記事では指の動きはより軸に近い部分がどうなっているかに影響を受ける、というお話でした。
では指より軸に近い身体側で腕の関節って何があるでしょうか。
・手首
・ひじ
・肩
それだけでしょうか?
他には
鎖骨
肩甲骨
このふたつも腕の仲間です。
だから胸鎖関節も腕の関節と言えるのですね。
肩甲骨は背中側に関節はなく鎖骨としか接していません。
肋骨とは接してないのですね。
肋骨の上の筋肉に乗っているだけで骨としては隙間があるだけ。
関節もなにもないので左右上下前後どこにでも好きなだけ動けます。
だから肩甲骨が背中に張り付いてると思い込んでいれば脳からは「肩甲骨を一ヶ所に固めておけ!」という指示が出ます。
この指示は楽器の演奏には役に立ちません。
また、鎖骨も胸鎖関節から前後上下に動けます。
試しに自分で鎖骨を触りながら腕を挙げたり下げたりしてみましょう。
かなりダイナミックに動いてるはずです。
腕が動くのは肩から、と思っていると脳からは「胸鎖関節から鎖骨が動かないよう固めておけ!」という指示が出て、これも楽器演奏には有害なことも。
そしてひじ、肩、胸鎖関節など「関節」というのはそこから折り畳む動きをするときに動きは効率的ですが、関節の隙間を縮めて短くするのには不向きというか動きが悪くなるだけでそういう機能はありません。
ファゴットやサックスの右手、トランペットやトロンボーンの両手(スライドを動かす右手は特に)、フルートの左手は特に関節を縮めるのでなく折りたたむことが役に立ちますが、細かい運指が必要な場合も大きい軸に近い関節を動けるようにしておくか固めておくかで指の自由度がまったく変わってくるのです。
指が動きにくいのは指だけの問題ではなく、関連した近くの関節に「動くな!」の指示が出ている可能性、気を付けてみてくださいな。