「この曲はよくわからない」「意味がわからないからキライ」
そんな風に思うことってあるでしょうか。
もしかしたら近現代の作品にそんな感想を抱くことは少なくないのかもしれませんね。
絵画も同じように自分が慣れているタイプのものしか好きじゃない、と言われがちかもしれません。
でも芸術って本当にわからなければ面白くないのでしょうか。
そもそも音楽や絵画に触れるのは理解するためなんでしょうか。
以前の記事で小林秀雄さんの「考えるヒント3」の中に掲載されているエッセイをご紹介しました。
理解することと鑑賞することは全く違うんですね。
形式や手法に名前をつけて満足、では作者が伝えたかったことは全く届いていないことになってしまいます。
作曲する人は形式や手法を使って何かしら表現したいことがあったんですから。
「どこが旋律だかわからない曲は何を聴いていいかわからない」
「調が無ければ意味がわからない」
そんなのは使われてる手法にしか耳が向いていない、もったいない聴き方です。
耳を向けたいのはその形式や手法で何が描かれているのか。
あえて調性を感じさせない音の並びを使うのはなぜか、
拍子を変化させるのは何の目的があったのか、
せっかくならそんなことに耳を澄ましたいものですね。