長いこと練習を続けてきてようやく出来るようになった!そんなことがあったとして、それはもういつでも使えるスキルになったのでしょうか。
受験時代に受けていたレッスンで、複雑なパッセージを吹いた時に「いま出来たのはたまたまのまぐれかもしれないからもう一回やってごらん」と先生に言われたことがありました。
まぐれ、面白い言い方ですね(笑)
何か起きることには原因があって結果がついてくるのでたまたまってことはありませんが、できたことが本人の意図していない何かへの反応なのだとしたら、もう一度同じことをしようとしても再現できません。
例えば棚から物が落ちた音にびっくりしたはずみに普段できないことができちゃった、なんていうのは自分の意図が引き起こしたことじゃないので再現性が無いんですね。
そういう偶然の要因で出来ても本番のときに同じことで驚いて超反応をすることは狙えませんから。
「まぐれかもしれない」というのは信用が無いとかそんなことではなくて再現できる意図が本人にちゃんとあるのかどうかの確認だったんですね。
それ以来、自分の練習をするときにはいつも出来たことに再現性があるどうかを大切にしています。
たまたまなのか狙った結果なのか、漫然と練習せずに気にしておきたいことのひとつですね。