「なんとなく今日はかけてやるか」なんていい加減なノリでメトロノームを使うかどうか決めたりはしていないでしょうか。
メトロノームを使う方がいい練習と逆に使っては意味がない練習、それぞれの違いってわかりますか?
スケールや曲を少しずつテンポアップしながらさらう時は基準のテンポに比べて自分がどこで速くなったり遅くなったりといったブレが出るのかを知ってそれを矯正して行くためにメトロノームを使った方が意味のある練習になりますね。
それにほんの1-2目盛の微細なテンポ変化を付けながら速くして行く練習は大体の勘では絶対にできません。
またリタルダントや少しの巻きなど揺らぎを付けながら歌うときに戻ってくるための基準としてメトロノームを使うこともあります。
主に楽譜にあることを練習する時はメトロノームをかけた方が良い場合が多いかもしれません。
反対にメトロノームを使っては意味がなくなる練習には、自分の中に確かなテンポ感を作るテンポキープのためのリズム練習やアンサンブルで合わせる練習が挙げられます。
テンポキープのためのリズム練習というのはソルフェージュのトレーニングでやるものです。
外部の何かに合わせるのではなく自分の中の基準に合わせる練習は、音価に相応わしいだけの「間」を取ったり、誰かが刻んでいなくてもテンポを保つことが出来るように出た音や反響音を聴くという目的でもあるのでカチカチとメトロノームが聴こえていては邪魔にしかならないんですね。
アンサンブルのときに合わせるのはお互いの呼吸や揺らぎなのでメトロノームは関係ありません。
みんながメトロノームに合わせて演奏するのに慣れたら、本番はどこに合わせたらいいかわからなくなってしまいますから。
「めんどくさいから使わない」「荷物になるから持ち歩かない」そんな理由で練習の仕方を変えたらやってる練習の本来の目的や効果が得られないってことは多いんです。
何のために何を使うか、これは何となくではなくちゃんと選びたいことですね。