楽典を一緒に読んでみましょう!のシリーズ、今回はp.123の調性判断のヒントの例外を見ていきましょう。
有吉尚子です。こんにちは!
これは旋律の骨格の音なのかただの飾りの音なのかを判断する部分です。
旋律の骨格が見られるようになると細かい枝葉末節に惑わされずにストーリーがどうなっているのか作品を俯瞰して大きな視点から見ることが出来るようになるので歌い方や音楽の運びを考える時にとっても役立つのですよ!
では最初から見ていきましょう。
まず1)の例外、譜例36です。
楽典の本を購入したい方はこちらからどうぞ
▼▼▼
Fis-A-Gという進み方をしているこの部分は一小節まとめて見ると本当はGの付点二分音符で伸ばしただけで良いはずの旋律。
それがオシャレのためにG-Fis-Gと半音下の音をすくって刺繍音を入れているんですね。
そしてただのG-Fis-Gでは物足りず更にオシャレがしたくなり、FisからGに上がる前に逸音のようなターンのような形でもうひと飾りAをかすめてからGに戻っています。
そもそも半音上行する音はシャープやナチュラルで臨時に高くなることはあるっていうルールでしたよね。
Gに向かいたいFがシャープしたらそれは音階にある音ではなく飾りの音の可能性があるわけで、その後にさらなる飾りが入ってもそのルールは変わりません。
これ、旋律の骨格の動きとしては全然跳躍してないわけです。
しかも5・7小節目の跳躍したFの音でFisではなくFが音階にある音だという証拠が見られます。
4小節目のDis-F-Eも同じこと。
次に譜例37については、和声長音階の6番目の音が音階にある音として取り扱われている例ですね。
フラット系の調ならAsより先にBやEsが出て来るはずです。
それが出てこなくてAsだけが単独で出てきて跳躍しまくってるということは、和声長音階を疑うといいパターンってことですね。
もしも短調の導音でBやEsがナチュラルになっているとすると考えられるのはc-mollかf-mollの2つですが、BもEsもどちらもナチュラルになると言うのはありえません。
ということで和声長音階の他に選択肢はないのですね。
このあたりは文字だけの解説ではなかなか伝わりにくいかもしれませんね。
もしもっと詳しく説明を聞きたい!という場合はベーシック楽典講座でお待ちしています。
講座のスケジュールと詳細は
こちらからどうぞ。
▼▼▼▼▼
https://open-eared.com/basic/