「周りの音に反応してアンサンブルをしたいけれど、自分が音を出してると他の人が何をやってるかわからなくなる」
それは単純に耳が良くないということだけでなく、聴いた音を楽譜としてイメージするという頭の整理作業ができていないからかもしれません。
まして演奏中に自分が出す音について頭がいっぱいの状態で他人が演奏している音を楽譜としてイメージするのは、さらに難易度が高いもの。
克服するには聴音と言われる聴き取った音を楽譜に書き起こすトレーニングが役立ちますが、そもそも聴いた音がすぐに楽譜として頭に浮かぶようになるためにはある程度の慣れが必要です。
なのでまずは自分は音を出していない状態で音を聴き取る練習をしてみるのが良い導入になります。
例えば聴いたリズムを手で叩いたり、聴いた旋律を覚えて歌ったり、耳コピやモノマネと考えると良いでしょう。
聴こえた音がどんな楽譜なのかがすぐにわかるほど頭が整理されていれば、新しい曲で譜読みをするときにもリズムや音程が正確に表現できるようになります。
ここではそんな聴音トレーニングの導入としてのモノマネトレーニングをご紹介します。
【モノマネトレーニング】
1、自分は楽譜を見ないで誰か身近にいる人に短いフレーズを吹いてもらいます。
2、よくよく聴いたらそっくりそのままマネをしてみましょう。(可能ならニュアンスや音量変化も忠実に)
初めはごくごくシンプルにこんな素材がいいかもしれません。
専門的に聴音を行う場合はピアノで先生が弾いた音を聴き取って楽譜にしていく作業になりますが、楽団の同じ楽器の仲間に協力してもらって自分が普段一番聴き慣れている楽器の音でトレーニングを行うとわかりやすいのでおすすめです。
日本人ならフランス語よりは日本語の方が、細かいニュアンスが理解できるのと同じかもしれませんね。
さらに同じ楽器なら、どうしても聴こえる音が何なのかわからない場合は、運指をカンニングすることができるのも心強いポイント。
わからないからって焦って簡単に正解を教わってしまうと、自分で何の音だか判断したという経験を積み重ねる大切な機会を失ってしまいます。
ヒントを得つつも自分で判断したという経験を積むために、わからなければ運指をカンニングするのはここではとても良い方法です。
さらにもし運指をカンニングするだけでわからなければ、実際自分の楽器で音を出してみて確かめても良いかもしれません。
初めは隣り合った音なのかそれとも離れた音なのか、高くなったのか低くなったのか、というところからスタートし、絶対に正解を簡単に尋ねてしまわず根気よく少しずつ繰り返すとだんだん聴き取れるようになっていきます。
もしも簡単にマネができたら、今度は楽譜にそれを書き起こしてみましょう。
音程の変化やリズムの形がはっきりわかるようになると譜読みのスピードが段違いに上がっていきますよ。
合奏の休憩時間の5分でモノマネ遊びとしてトレーニングをしていくと、いつの間にかソルフェージュ力を強化していくことができてしまいます。
ぜひ取り入れてみてくださいね!