「これは好きなんだけど自分には向いてないかも・・」
「得意なのはこっちだけど本当はあっちが好きなんだよな」
そんな風に自分の好きなことと得意なことが違っていたりしませんか?
得意と好きが一致している人は幸せですが、実はそうではない人の方が多いのかもしれません。
音楽でも指回りの速いテクニカルな曲が本当は好きでやりたいけれど、上手いと言われることのが多くて得意なのはしっとり系の曲、というようなことはありがちです。
わたしの例で言うとシンフォニックなオーケストラ作品よりも曲芸のようなサーカス的な曲の方が得意ですが、フルトヴェングラーのようなどこまでも深い表現に憧れていたりします。
ところで。
好きと得意の違いって考えたことはありますか?
Nonviolent Communication(共感的コミュニケーション/非暴力コミュニケーション)という、お互いに誤解や偏見なく共感的にコミュニケーションを取ることで自分も周りも快適にいるためのメソッドがあります。
そこで言われることによると、「得意」というのは他者との比較がその価値基準であって、誰かより優位であるという意味なのだそう。
反対に「好き」というのは他者がどうということは関係なく、その価値は自分の中にあるから集中・没頭できるものなのだとか。
言われてみれば確かにそうだなと感じます。
わたしの例なら、周りに比べて指回りが速い方だからそういうサーカス的な曲での演奏の依頼が必然的に多くなりがちです。(速い曲の効率的な練習方法を知っているから)
でもずっと集中して一つの曲を掘り下げていくことの方が、時間を忘れていつまでもやっていられることです。
そしてもう一つノンバイオレント・コミュニケーションで言われていることは、他者と比べての得意は自分より優れた人が出てくればその価値が無くなってしまうけれど、好きなものは自分が勝手に好きでいることだけがその価値を生み出すわけだから他者がどうだろうと好きでなくなる必要はないとも。
これも深くも納得させられることです。
最後に、「得意は他者と分かち合うことはできないけれど好きはいくらでも分かち合える」という言葉は心に響きました。
本当にその通りだと思います。
自分が何を得意か何が向いてるか、そういうことより本当に望むことやしたいことは何なのかを軸に考えていたいですね。
趣味で音楽をする方ならなおさら、他人から言われる向き不向きや得意不得意に振り回されずに本当にしたいことを遠慮なく選んで良いのではないでしょうか。
アレクサンダーテクニークではその人がやりたいことのために、本人の持ってる能力を無理なく使うためのサポートを行います。
ノンバイオレント・コミュニケーションを講師として紹介してくださったのはわたしの尊敬するアレクサンダーテクニークの先生でもある安納献さんという方なのですが、なるほどアレクサンダーテクニークとはすごく相性が良さそうだなと思います。
これからさらに詳しく知って行きたいことのひとつです。