「もっと練習してくれないかな」
「そうじゃないって何度も言ってるのに全然通じない」
「あの人なぜいつも間違えるの?」
そんなイライラに悩まされること、これを読んでる熱心な奏者さんにはきっとたくさんありますよね。
合奏全体を良くしたいという思いが強ければ強いほどそういう周りへのフラストレーションは溜まるもの。
自分はこんなに頑張ってるし、伝え方だって工夫してるし、もっと向上したいのに!
そんな気持ちもよくわかります。
どっちが誰が悪いってことじゃ決してないのですよね。
とはいえ自分と考え方や音楽への向き合い方が根本的に違う人と付き合うのはストレスなのも確か。
自分が当たり前だと思ってることをやりたくないと思っていたり、
これだけ噛み砕いて伝えればきっとわかってもらえると思ってたことをさっぱり理解してもらえなかったり。
そんなときはガッカリするしイライラしない方が難しいなんて思っちゃいますよね。
でもこのガッカリ・イライラって実はあなたの期待が引き起こしてることなのかもしれません。
「これくらい言えば伝わるはず」
「この前提は共有してるはず」
「この気持は誰でも持ってるはず」
それは実は世の中全体にとっての当たり前ではなくて「あなたにとっての当たり前」でしかないのかもしれません。
相手がダメなのではなくただ違う思考パターンを持っていて違う生き方をしてきていて、ただ単に自分とは違う人間であるというだけ。
伝わらないのは当たり前。
トンチンカンで当然。
考えが違っても仕方ない。
そういう前提でいたらどうですか?
自分にとっての当たり前を満たさない人に対する苛立ちって少しは緩和されないでしょうか。
通じないのが当たり前なんだからもっともっと言葉を尽くそう。
わかり合えてないのが当然だから思ってるより丁寧に向き合おう。
そんな風に思えたらしめたもの。
全ての苛立ちや失望は期待から始まると思っていたら、イラッとしたときには
「もっとわかりあえてるはずだと思ってたんだな」
「この前提は共有できてることを自分は期待してたんだな」
ということに気づくでしょう。
他人に期待しないというと冷たい感じがするかもしれませんがむしろ心のさざ波が減って穏やかに接することができるようになるのかもしれませんね。