わたしがクラリネットのレッスンを初めて受けたころ、「指示したもの以外に難しいのをやったとしてもムダですよ」と先生に釘を刺されました。
当時わたしは実際以上に自分が上手にクラリネットを吹けるような気になっていて、先生が指示してくださる課題が簡単すぎるのでは?なんて思っていたんですが、先生にはお見通しだったのですね。
恥ずかしい。。
レッスンの課題として出すものは生徒が抱えてる問題を確実にクリアするためだったり、新しい刺激に触れるためだったり、その時々で明確な狙いがあるもの。
それはどういう手順を取ると上手くなっていくかを知っている専門家だからこそできる提案です。
自分にどういうトレーニングや手順が必要なのかよくわからない素人が適当に選んだ教材が専門家の提案よりも上達の助けになることなんてあるわけないのです。
むしろ順序立てて上達の階段を登れるように考えている計画をめちゃくちゃにしてしまうので逆効果になることだってある。
わたしはそういうことをわかっていなかったのです。
そして先生にはレッスンでたった一音聴いたらもうそれだけでその生徒がどういう練習をしたかまたはしていないかが丸わかり。
「余計なことをして変な習慣をつけてきたな」と思われていたのでしょう。
わたしも教えるようになってそれがすごくよくわかります。
一見遠回りに感じるような根気の必要な練習をまじめにコツコツとやる人はすごくはやく上手くなるのです。
反対に一見近道に感じられる自分のレベル以上の課題ばかりやろうとする人はなかなか上手くなりません。
そして最初の一音を聴けばどんな練習をしてきたのかはわかってしまうのですね。
「こんな練習をしてきましたね」とわざわざ言われなくても、気疲れているものなんですよ。
あなたはレッスン前の練習をどういう風にやっていますか?