楽典を一緒に読んでみましょう!のシリーズ、前回からずいぶん間があいてしまいましたが今回はp.131の「その他の音階」から見て行きましょう!
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楽典―理論と実習
石桁 真礼生 , 末吉 保雄 , 丸田 昭三 , 飯田 隆 , 金光 威和雄 , 飯沼 信義 (共著)
ここでは長調・短調以外の音階を解説しています。
調性ではない特殊な雰囲気を作る音の並び方あれこれの紹介です。
まったく覚えなくてもいいし理解できなくても大丈夫。
「ふーん、そんなのあるのね」と思っていただければ充分です。
では実際見て行きましょう。
ハーモニーが出現する前は音楽は旋律が中心のものだったのですね。
そんな昔の時代から使われているスケールが何種類かあるのです。
音階に含まれる音が私達が普段使う長調や短調と違うところがあって、それが独特な雰囲気を作っているのですね。
大きくわけると
・隣あった音の同士の間隔(長短増減)の並びが違うもの
・音階に含まれる音の数が違うもの
この2パターンでしょうか。
まず最初に紹介されている教会旋法。
これはチャーチモードとか単にモードとか言われたりします。
ジャズやポピュラーのプレーヤーが良く使う特徴的な音階ですね。
色んな種類があることはp.132を見るとわかります。
覚えなくても大丈夫ですがこれは正格の方がよく使われるというイメージを私は持ってます。
音の並び方がそれぞれ違うんですが実はダルクローズスケールを知っていると把握するのにもアレンジやアドリブで使うのにも便利なんですね。
というのはそれぞれの音階が長音階の主音からの数字で表すとこんな構造になっているから。
イオニア
12345671
ドリア
23456712
フリギア
34567123
リディア
45671234
ミクソリディア
56712345
エオリア
67123456
ロクリアン
71234567
そして各音階の一番始めの音が中心になっていて戻って来たい先。
はて。
こんがらがってきたぞ・・と思っちゃいそうですね。
つまりこの数字の3と4、7と1は半音でその他は全音でしたね。
その通りの音の間隔で並べるとチャーチモードが簡単にできちゃうわけです。
もうひとつの考え方はピアノの白鍵だけを弾く場合。
イオニア
ドレミファソラシド
ドリア
レミファソラシドレ
フリギア
ミファソラシドレミ
リディア
ファソラシドレミファ
ミクソリディア
ソラシドレミファソ
エオリア
ラシドレミファソラ
ロクリアン
シドレミファソラシ
となります。
白鍵じゃないところから弾くならまたは鍵盤以外の楽器でやるならダルクローズスケールを思い浮かべると簡単です。
音を出してみるとわかりますがそれぞれ特徴的な響きで、特にフリギアは闘牛のような雰囲気が面白いですね。
アルフレッド・リード作曲のエル・カミーノ・レアルはこのフリギアが使われてるのです。
その他全音音階や民族的な色んな音階が紹介されてます。
五音音階はペンタトニックなんて呼ばれ方もしますね。
また日本の音階だけでもさくらさくらっぽいのとか日本昔話っぽいのとか雰囲気の違うのが色々ありますね。
その色々はなんとなく「そういうのがあるのねー」と思うだけで充分です。
ここでは覚えるのではなく「なんだっけ?」と思ったときにどこを探せばわかるか知ってるというのが大切。
その他この楽典の本には書かれていませんが琉球音階とかブルーススケールなんかも色んな作品で登場します。
普段長短の音階に慣れている人が予想外の音が出てきたな、と思ったらそれはモードを使った曲な可能性がありますね。
ぜひ音を出して聴きながら調性以外の世界を味わってみてくださいね!