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分類してわかった気になる危険

 

「A型なら几帳面なんでしょ」「O型なら大らかタイプね」など血液型による性格診断をどう思いますか?

個人的にこういうのは面白ければ何でもいいと思いますが、「人間の性格がたった4つに分類できるはずはない!」という声もありますよね。

こんな大雑把な性格診断なら本気で信じる人はそんなにいないでしょうし、それによって深刻な影響を受けることも別段なさそうですが、音楽でもこういう分類をついついしてしまうケースって意外にあります。

代表的なのが古典派とかロマン派などの枠組みや、「モーツァルトならこう!」「ドビュッシーならこう!」などと作品そのものを見ずにスタイルだけを再現しようとする演奏。

もちろん歴史を知ったり、比較研究したり、当時の演奏を再現したりするためには、分類することは役に立ちます。

それでもドビュッシーだからふわふわすればそれっぽくなる、とか近現代作品だから意味がわからないごちゃごちゃに感じられれば雰囲気が出る。

そんな風にカテゴライズしてわかった気になり、作品そのものを見ないのはもったいないことです。

せっかく自分で音楽をするなら「何となくそれっぽい」ではなく、一つ一つの作品のどんなところが魅力なのか改めて自分で見ていきながらそれを表現するのが楽しいのではないでしょうか。

分類・カテゴライズするのは導入段階ではシンプルに見えるのでとても便利ではありますが、それだけでわかった気になってその先を見なくなるのは避けたいものですね。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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