アレクサンダーテクニーク 思考と心 身体の仕組み

見えている問題と隠れた原因

 

指がどうしても無駄に力んでしまう・・それに対して「力みをやめましょう」「脱力しましょう」というアドバイスをするのは実はあまり効果がありません。

どうしてかというと、指が力んでしまうのは楽器の重さを支えようと握る動作をしていたり、フォームなどを保とうとしていたり、など何かしらその動作が必要な理由があるから。

不具合のあることでもわざわざそれを行っているなら、何かしらその動作を行うことを必然とする理由があるはずなのです。

本人は「偶然つい無意識に」と思っていても、それは同じこと。

そういうときには見えている問題である指をどうこうしようというレッスンよりも、何か他に指以外でするべきことをさぼっているためのフォローなのではないかとか、過去の習慣からの思い込みで余計なことをしていないかなど、大元の原因を探して解決することも大切です。

例えば楽器がグラグラしないように指の力で楽器を支えながら吹いているのなら、楽器の固定は口に当たってる部分やストラップに任せる。

そんなほんの少しの意図の変化だけでも指回りはスムーズになったりするもの。

指とか腹筋とか演奏に関わる身体は、偶然やたまたまではなく意図によって動いてコントロールされているので、問題の原因は身体のことだけでも思考など心のことだけでもなく両方が複雑に関係しあっています。

気になっている問題が実は思ってもいない原因で作られてるなんてこともあったりして、興味深いことですよね!

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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