新しい奏法に変えたときなど「ここは注意したいポイントだな」と気にしていると、普段は間違えないようなところで引っかかったりしませんか?
大事な本番で「ノーミスで!」「ここはソロだから間違えたくない」など思った瞬間に間違えるのも同じかもしれません。
その原因のひとつは「実際にやる」ことをおろそかにして「出来ているかどうかの確認」をしようとすること。
わたしたちはこの二つを無意識に混同してしまいがちですが、「出来ているか確認すること」と「実際にやること」は違います。
動作としては似ているし関連してはいますが、脳から身体に対する指示としての意図が全然違うのです。
「この音をこんな表情でこうやって演奏しよう」というのと「出来ているかチェックしよう」は別の作業なのですね。
そしてついついチェックしながら演奏してしまう。
でも二つのことを同時に行うと頭の中が忙しいので、「演奏する」という意図がお留守になる。
出来ているかどうかチェックしたら、次はそれを良いかダメか評価することに夢中になってしまいます。
気付いたときには今何をやっているのか、次に何をするかがわからなくなっていて間違える。
そんなことがパターンになってはいないでしょうか。
「間違えないぞ!」と自分に言い聞かせるのと、実際にどう演奏するか考えるのは全然別の作業。
意図した通りに動いてるか確認することは、思ったように動くことを意図するのとは違います。
ちょっと複雑なお話になってしまったかもしれませんが、アンブシュアを変えたときや構え方を変えたときなど、筋感覚でやってることを知ろうとするときにとてもよく起こってしまうことなのでぜひ気を付けてみてくださいね。