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指示をしたら悪くなる場合

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「こうしなさい」と言った途端に動きが悪くなる生徒さん、今までにいませんでしたか?

有吉尚子です。こんにちは!

生徒さんに新しい奏法や解釈などすすめるときにどんな表現を使っているでしょうか。

実は伝える時の言葉の選び方でその後の動きやすさが左右されることがあります。

脳からの指令で人の動きは制御されているわけですが、動くことに関する指令と動きを止めることに関する指令が同時に出ていると、動作や思考はうまくいかないようにできているそうです。

どういうことかというと、例えば実際にやってみましょう。

1 肘と肩は動いてはいけません。そして手をグーパーしてみましょう。

2 肘も肩も動いていい。そして手をグーパーしてみましょう。

どちらがどんな風でしたか?

動きやすさや疲れ方や動くスピードはどんな風に違ったでしょうか。

見た目の動作としては大した違いはないことなのに、動きの質は全く違いますね。

これが思考が動作に及ぼす影響のひとつの例です。

何か禁止されてることがあると禁止されてないことまでやりにくくなるのですね。

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この些細な違いが演奏中の繊細なコントロールの場面では大きな違いとなって音に表れます。

では冒頭の質問に戻ります。

「こうしなさい」と言われた生徒さんの動きが悪くなる時、何も禁止の指示はしていないのに不思議じゃないですか?

これ、実はその一言の中に禁止の要素が潜んでいるのです。

それは「こうしなさい」と言われたこと以外の動きをしてはいけない、というニュアンス。

「これをやるといいかもしれないから試してみましょう」というのとニュアンスがほんの少し違うのがわかりますか?

使える選択肢が増えたのではなく限定されてしまったのですね。

日常の中でもそういう例はたくさんあります。

お茶を飲まなければならない(飲まないことは許されない)と思って飲むのと、飲んでも飲まなくてもいいけどせっかくだから飲んでみよう、というのではストレス加減が全く違いますよね。

自分のアドバイスで他のやり方の可能性を制限して生徒が不自由にならず、柔軟な思考を持って上達して欲しい先生はどうぞ取り入れてみてくださいね!

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有吉 尚子

有吉 尚子

クラリネット奏者。 栃木県日光市出身。 都立井草高等学校卒業。2007年洗足学園音楽大学卒業。2009年同大学院修了。 クラリネットを大浦綾子、高橋知己、千葉直師の各氏に、室内楽を平澤匡朗、板倉康明、岡田伸夫の各氏に師事。 ミシェル・アリニョン、ポール・メイエ、アレッサンドロ・カルボナーレ、ピーター・シュミードルの各氏の公開レッスンを、バスクラリネットにてサウロ・ベルティ氏の公開レッスンを受講。 受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。 及川音楽事務所第21回新人オーディション合格。 2010年より親子で聴ける解説付きのコンサ-ト「CLARINET CLASSICS」~クラシック音楽の聴き方~をシリーズで行う。 2015年、東京にてソロ・リサイタルを開催。 オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動を行っている。 また、ソルフェージュや音楽理論、アレクサンダーテクニークなどのレッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 音楽教室N music salon 主宰。

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