自分の今の身体のサイズや体力に合わせて楽器との関係を見直すのも時には必要ですが、その日その日の楽器や会場の違いについてはどうでしょうか。
有吉尚子です。こんにちは!
身体や体力は何年もかけて少しずつ変化していくのでたまに見直せばそれでいいかもしれませんが、わたしたちの演奏するアコースティックの楽器はその日その日の体調や気候でも音が大きく変わる繊細なものですね。
朝と夕方では湿度が変わるので鳴りが違っているなんてことは普通のことですし、また演奏会場によっても響かない練習室と大きなホールでは吹き方を変えないとどうにもなりません。
準備していたリードが本番で使えなかったり、発表会の時に普段通りに吹いたらちっとも音が抜けてこなかった、なんてことはいつも同じ部屋で練習していてレッスンや合奏の時だけ広い場所で吹くという方にはよくあることではないでしょうか。
普段から「今日の楽器と自分とお部屋の状態はどうかな?」といつも思いながら楽器を吹き始めるのを習慣にすると些細な変化に気が付くようになっていきます。
そしてそんなことに気づけたら人は入ってきた情報に自然に反応するものなので会場の響き方に合わせて奏法を変えたり、アンサンブルの具合によって音程をコントロールをしたり、ということができるようになっていきます。
練習の通りに、レッスンで言われた通りに、必ずこうやって演奏する!
なんていう風に決めてしまうと遠くまで響かせたい大ホールでも目の前に子供が座ってる自宅でのサロンコンサートでも全く同じ吹き方、なんてことになってしまいます。
せっかく色んな変化をつけられる楽器を扱うのにそれはちょっともったいないことですね。
ついでにそうやって些細な変化に気を配って対応するようにすると習慣から起きてしまう怪我や痛みも起こりにくくなります。
今日はどんなかな?と思いながら最初の一音を出す習慣、ぜひ取り入れてみてくださいね!