安全運転でミスのない演奏とミスがあるけれどチャレンジしてるのが伝わる演奏、どちらが魅力があるでしょうか。
自分で録音して聴いてみるときは、ノーミスであまり大きな表現のないものの方がアラが目立たなくて安心かもしれません。
話は少しそれますが、以前プロフィール用の写真をプロのカメラマンさんにスタジオで撮ってもらったことがありました。
そのときに100枚くらい撮ったたくさんの写真の中から、画像の仕上げをして完成品として作るのはどれがいいか2枚くらい選ぶのです。
そこで自分で「これがいい!」と思ったものと、プロのカメラマンさんが選んだものは違いました。
面白いなと思ってどういう風に選んでるのか尋ねてみたところ、「チラシやSNSで実際に使うときは小さなサイズになることがほとんどだから、小さくなっても雰囲気がわかる大きな表情のものを選んでいる」とのこと。
なるほど!と思ったのでした。
多くの人は自分で気にしてるシミとかシワなど色々気になって、出来るだけアラの目立たないどちらかというと無表情なものを選びがち。
でもそれってチラシやホームページなどで小さくなったときには全然主張が感じられない表情のつまらない写真になってしまうそうです。
面白いですよね。
わたしはそのプロの方が選んだ一枚を完成品にしてもらいました。
話を戻して、演奏にしたって同じことが言えるかもしれません。
自分ではアラの目立たない無難な文句のつけようのない演奏だと思っていても、お客さんや演奏の仲間など他から聴いてる人にとっては何の主張も感じられないつまらない演奏になってしまっている可能性はあるでしょう。
表情をつける時は「思ってるより大げさにやるといい」とはよく言いますが、そういう意味でも本当だと思います。
そしてやはり、こじんまりしたミスのない演奏よりも、多少のミスはあってもダイナミックでイキイキした演奏が聴きたいなとわたしは思います。
CDなどの録音物も全体を通して良い雰囲気だなというテイクからミスした音をひとつだけ入れ替えて修正するのですが、写真もいい表情のものを素材に画像加工ソフトでアラを隠すという面でも似ているなと思ったのでした。
あなたはどう思いますか?