アレクサンダー・テクニーク 思考と心 身体の仕組み

力を使わない方が疲れる理由

ダラダラやるよりやることを決めてテキパキとやってしまう方が疲れないなんてお話をしました。

これってもしかしたら身体の動きについても同じようなことが起きているかもしれません。

有吉尚子です。こんにちは!

例えば体力節約にダラダラ歩くとウォーキングのように元気に歩くよりもむしろ疲れるなんてことを体験したことはないでしょうか。

また、グデっとしながら立っている時とシャキッとして立ってる時、長時間元気でいられるのはシャキッとしてる方ですよね。

これは使ってる筋肉の違いによるところも大きいんです。

魚でいうと、マグロのような泳ぎ続ける魚は動きながらも疲れないように血液が循環する血管などの仕組みのために赤身になるそうです。

呼吸のために泳ぎ続けて水中から酸素を取り込む仕組みなのにヘトヘトに疲れて泳げなくなったら死んじゃいますもんね。

赤身の魚は疲れたら休むというものではないんだそう。

その代わりあんまり機敏な瞬発力の必要な動きは得意じゃないそう。

反対にヒラメなどの白身の魚は敵から身を隠してじっとしていたり、食べられちゃいそうになったら瞬発力を使って逃げなきゃなりませんから、ゆったり動き続けるより瞬間的に大きな力を使いたいわけです。

赤身のように持久力はない代わりに瞬発力があるのが白身の魚なんだそうです。

白身の筋肉は瞬間的に力を使ったらすぐにエネルギー切れになって疲れてしまうんですって。

この赤身と白身は人間の筋肉にもあって無意識に使い分けているんだとか。

例えば、ずっと動き続ける心臓の筋肉や、立っていたり椅子に座ってるときに崩れ落ちないよう姿勢維持をするのは赤身の割合が多い筋肉で、身体の深いところにあるそうです。

そして疲れはあまり感じません。

人間生きている間は心臓が疲れたからって動くをやめたりはしませんもんね。

反対に大きな力を瞬間的に使える白身の割合が多い筋肉は身体の表面に近いところにあって、それは使うと疲れてしまうそう。

この深層にある赤身の姿勢維持筋がサボって働かないでいると、疲れやすい浅層の筋肉が頑張る必要が出てくるんですね。

一見脱力していてダラっとした姿勢の場合は、姿勢維持の疲れない筋肉の代わりに外側の疲れやすい筋肉がたくさん働いているというわけなんです。

それに演奏の時は外側の強くて瞬発力のある筋肉は吹き込みや楽器のコントロールに使いたいのにすでに姿勢調整のために働いていたらうまく使えませんしすぐにヘトヘトになって疲れてしまいます。

姿勢調整はそのための赤身の筋肉がちゃんとあるのでそっちを使って、演奏動作のための筋肉はフリーにしておきたいところですね。

かといってシャキッとした姿勢を作るために外側の疲れやすい筋肉を使っていたら全く意味がないんです。

その違いは文字では表現が難しいですが、知っておくと日常動作でも気をつけられることが見つかるかもしれませんね。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。

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