アレクサンダー・テクニーク 思考と心 本番 練習

緊張する本番の前にやりたい7ステップ

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とある大きな本番のときにきっとドキドキするだろうと思って練習でもそれを想定したドキドキ対処法を練習していたことがありました。

先日の記事でご紹介した

「ジュリアードで実践している演奏者の必勝メンタルトレーニング」
ドン・グリーン著
辻秀一監訳

で取り上げられていた方法で、とても効果的に溢れ出るエネルギーをコントロールする方法だなと感じたので一部シェアしますね。

これは本番のステージに出る前や楽屋で準備しているとき、また練習していて緊張してきたときなどどこでも役立つアイデアです。

道具なども必要ないし大体1分もあれば終わるのでお手軽なところも便利ポイント。

本で紹介されていた方法にわたしは個人的なアレンジをして大きな本番やオーディションなどネガティブになったり思考が入り乱れて混乱したりなんてことが起きそうな心のコントロールが必要な場面で使っています。

どんな方法かというと、7つのステップで出来ていてこんな手順で行います。

7つのステップで嫌なドキドキを使いこなす

1.目的の明確化
2.フォーカスポイントを決める
3.腹式呼吸
4.身体の強張りを解除
5.自分の中心を見つけ、自分を中心に据える
6.プロセスキューを唱える
7.フォーカスポイントに向かって息を吐き出す

ではひとつひとつ解説してみます。

1.目的の明確化

たとえば「自分はソリスト」「クラリネット奏者」「エンターティナー」「お客さんと一緒に遊ぶ人」などなど自分が納得行く言葉なら何でもいいのです。

自分はどういう人としてそこにいるのかを再確認します。

そして何のためにこれから演奏するのかを思い出します。

曲の楽しさを味わうため、作品の魅力を紹介するため、頑張った成果を披露するため、これも色々あるでしょう。

目の前のステージで何をしに来たのかを再確認します。

2.フォーカスポイントを決める

フォーカスポイントというのは楽譜以外に演奏中に見る場所でもありそこに向かって音を出す場所であり混乱して迷ったときにそこに意識を向ける場所でもあります。

暗譜の本番など目のやり場に迷うようなときに頼りになるかもしれませんね。

そして「どこを見たらいいか迷う」という無駄な思考を不要にさせる良いアイテムだと思います。

具体的にホールの中のどんな場所を選ぶと良いのかは本の中身を読んでみてくださいね。

3.腹式呼吸

この本の中では場面と段階に応じていくつかの呼吸法が紹介されています。

どんな風に呼吸するといいかも紹介されていますが、わたしは個人的に腹式呼吸というのはあまりしっくりこないワードなので「呼吸していることを思い出す」または「深呼吸する」というのが自分に合うかなと感じています。

4.身体の強張りを解除

これも本の中でどんな風にやるか具体的に書かれていますが、アレクサンダー・テクニークの方がわたしには慣れていてやりやすく効果も高いのでそっちを使います。

5.自分の中心を見つけ、自分を中心に据える

これはなんのこっちゃですよね。

自分の身体の中心はどこなのか思い出して身体を効率的に使うというのが「自分の中心を見つけ」の部分。

「自分を中心に据える」というのはそれと同時に世界の中心に自分がいることを思い出すということだそう。

他人に左右されたり誰か他の人のためじゃなく、自分のために自分で責任を持って演奏することを思い出すこと、という風に書かれています。

演奏だけでなく人生全てに入れることなのかもしれませんね。

6.プロセスキューを唱える

これは演奏という動作を通して自分が何をするのかを言語化して明確にすることだそう。

ステージ上で何をするのかわからなくなったりドキドキして混乱したときにその言葉を思い出すことでエネルギーをそちらに向けて効率的にアドレナリンを使うためにとっても役立ちます。

7.フォーカスポイントに向かって息を吐き出す

1−6でやってきたプロセスをここで統合します。

2番目で決めたポイントに向かってこれから演奏に使う身体の状態で6番で思い出した言葉を心の中で唱えながら息をフーっと吐きます。

これだけ。

慣れていたら全部やっても30秒もかからないかも。

パフォーマンスが格段に良くなりました

もちろんこの7ステップは練習段階から繰り返しやって本番前までには慣れていないと使いようがありません。

これ自体も練習しておく必要はありますね。

とはいえこの7ステップをやると気分が変わって集中が高まり身体も動きやすくなるので本番前にすごく使えるなと思います。

さらにこの7ステップを自分なりに理解して組み立てるという過程で思考が整理されるのでそれも緊張しそうなときに助けになる一つの効果ですね。

わたしは本番での演奏の最中にさらにアドレナリンが出て興奮したときにそれまでなら「あ、スピードが上がっちゃいそう」「変な間違え方するかも」と思ってしまう瞬間がありました。

でもこの7ステップをやってから「これはアドレナリンが余っててもっとエネルギーを使った方がいい。じゃあもっと強いプロセスキューが必要だ!じゃあこの言葉だ!」と考えられるようになって演奏により集中できるようになりパフォーマンスも上がったのを実感しています。

とっても面白いのでぜひ取り入れて見てくださいね。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

クラリネット奏者。 栃木県日光市出身。 都立井草高等学校卒業。2007年洗足学園音楽大学卒業。2009年同大学院修了。 クラリネットを大浦綾子、高橋知己、千葉直師の各氏に、室内楽を平澤匡朗、板倉康明、岡田伸夫の各氏に師事。 ミシェル・アリニョン、ポール・メイエ、アレッサンドロ・カルボナーレ、ピーター・シュミードルの各氏の公開レッスンを、バスクラリネットにてサウロ・ベルティ氏の公開レッスンを受講。 受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。 及川音楽事務所第21回新人オーディション合格。 2010年より親子で聴ける解説付きのコンサ-ト「CLARINET CLASSICS」~クラシック音楽の聴き方~をシリーズで行う。 2015年、東京にてソロ・リサイタルを開催。 オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動を行っている。 また、ソルフェージュや音楽理論、アレクサンダーテクニークなどのレッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 音楽教室N music salon 主宰。

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