「集中して!」
「イメージを統一して!」
「もっと自覚を持って!」
そんな実際には何をしたらいいかよくわからないアドバイスも昔はよく耳にしたものです。
こういう曖昧な指示は受け取り手の解釈次第で効果が出るかどうかって変わってくるでしょう。
たとえば「もっと集中して」と言われた場合に、
集中するということを音を間違えないように楽譜をよく見るという意味で受け取るか、
「真剣にやってますポーズ」として視線を動かさず身体を固くすることを選ぶのか、
意味がわからないままとにかく「はい!」と大きく返事をすることを選ぶのか、
というような違いです。
曖昧な指示に勝手な解釈で反応することを習慣にしていると、つい何か要求されたときに「あなたの意図を尊重してます」ということを伝えようとして本来の狙いとは違う反応をしてしまうことも多くなるでしょう。
そしてその指示が曖昧であればある程、受け手側の反応の選択肢は増えて行きます。
相手の要求に応えたフリをすることがクセになっていると、自分では望ましくないと思っていることでも無意識に行なってしまうことも。
まずは無意識で自分自身の意図がない反応をするのはやめましょう。
そして受け取った情報に対して自分がどう反応するのか、選ぶように心がけましょう。
要求通りのことを行なってもいいでしょうし、意味がわからないと思ったら確認するのもありでしょう。
何をしたらいいかわからないし確認もできないなら反応しない、というのもひとつの選択肢です。
何をしたらいいかわからないまま「とにかく何かをする!」と思ったら、拮抗筋が働き合って身体は固まるので動きにくくなってしまいがち。
アドバイスなどの口頭で表明されたことだけでなく、視線とか物音とか咳払いとかも含め、入ってくる情報に対して反応をするのは自分です。
言われたことに対して反射的に無検証なまま応じるのではなく、「何のためにどうしたいかな?」ということに意識的になることで、無意識に不本意な反応をしてしまうことはなくなるもしれませんね。