アレクサンダー・テクニーク 本番 身体の仕組み

本番だけブレスが持たない

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練習のときは問題なく息が続くのに本番になるとブレスが持たなくなる。

それにはちゃんと理由があるのです。

ブレスを妨げてしまう原因は何なのか、一緒に見ていきましょう。

なぜ本番だけ息が持たなくなるのか

ブレスの仕方について考える時、横隔膜や肺やお腹についてはよく気をつけるでしょうが姿勢についてはどうでしょうか。

誰にも見られていない練習のときと大勢のお客さんを前にしたとき、まったく同じモードでいる人はほとんどいないでしょう。

「見られている」という意識はわたしたちの姿勢を変えてしまうこともあるのです。

ひとりきりの練習ではどうでもいいラクな服を着てどうでもいい姿勢でいることも問題なく出来たとしても、大ホールのステージに立てば自然に背筋が伸びたり礼儀正しい振る舞いを心がけたりしませんか?

そんなときはやはり窮屈で身動きが取りにくくなるもの。

では身動きが取りにくいとなぜブレスが不自由になるのでしょうか。

背筋を伸ばしたら吹きにくい

なぜ背筋をピンとしようとしたり「良い姿勢」でいるときに吹きにくいのかというと、そういうときには自然な状態では本来当たり前に起きているはずの背骨の動きが邪魔されてしまっていることが多いから。

人間の背骨は呼吸によってよりカーブしたり少しカーブが緩やかになって伸びたりしています。

それが起きているのが自然な呼吸をできているときなのです。

そして背筋ピン!のモードのときはその呼吸につれて動く背骨の動きが阻害されてしまいがち。

背骨が動きにくければ呼吸も不自由になるもの。

だからいつもの動けるモードなときのブレスで吸える空気の量と人前で背筋ピンモードで吸える空気の量は変わってくるのは当たり前なのです。

身体は常に全体が連動しているので姿勢を固定したままで横隔膜やらお腹やらで何かしようとしてもそれは無茶というもの。

いつもは平気なのに本番の時だけブレスが持たなくなる問題、ありがちな理由のひとつです。

姿勢を変えられない楽器

それなら誰でも姿勢を固定せずに吹きたいと思うでしょう。

そうはいっても楽器を持ち上げて演奏しているなら背骨や胴体の長さが自由に変えられブレスもコントロールできますが、バスクラリネットやバリトンサックスやバスサックスなどエンドピンがあるため地面から楽器の距離を変えることのできない楽器も存在します。

チューバや奏法によってはユーフォもマウスピースの高さを変えにくい印象があるでしょうか。

これらの楽器は一度高さを決めたらマウスピースの位置も演奏中には簡単に変えられないので自分で持ち上げて吹ける楽器より不自由に感じるかもしれません。

とはいえそこは工夫次第。

やりようはいくらでもあるものです。

エンドピンがあっても快適に吹くには

もちろん自分が「背筋ピン」のモードで届く高さピッタリにしたらそれ以上はどうにも動けませんが、あらかじめほんの少しだけ低めにセットしておくことも出来るはず。

それによって演奏中に背骨の長さが変わる伸び縮み分を足首や膝や股関節の曲げ伸ばしで調整することができるのです。

つまり頭が動けないなら身体が反対方向に動くことでバランスを取れるということ。

背骨のことは背骨だけで解決しなくても、わたしたちの身体には無数の関節があるのですから。

座っていても調整できるもの

合奏やアンサンブルでは椅子に座っていて脚の関節があまり活用できないことも多くあるでしょうが、楽器や顔の角度調整によって背骨の長さ変化に対応することはやはり可能です。

人間は頭が動かせないなら他の部分でカバーすることが出来るのですから頭の位置が変えられないから仕方ないと諦めたりせずに自分に合った吹きやすい奏法を探して行きたいものですね。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

クラリネット奏者。 栃木県日光市出身。 都立井草高等学校卒業。2007年洗足学園音楽大学卒業。2009年同大学院修了。 クラリネットを大浦綾子、高橋知己、千葉直師の各氏に、室内楽を平澤匡朗、板倉康明、岡田伸夫の各氏に師事。 ミシェル・アリニョン、ポール・メイエ、アレッサンドロ・カルボナーレ、ピーター・シュミードルの各氏の公開レッスンを、バスクラリネットにてサウロ・ベルティ氏の公開レッスンを受講。 受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。 及川音楽事務所第21回新人オーディション合格。 2010年より親子で聴ける解説付きのコンサ-ト「CLARINET CLASSICS」~クラシック音楽の聴き方~をシリーズで行う。 2015年、東京にてソロ・リサイタルを開催。 オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動を行っている。 また、ソルフェージュや音楽理論、アレクサンダーテクニークなどのレッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 音楽教室N music salon 主宰。

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