前回の記事で取り上げたシェンカー分析について、今回は和音の読み解き方をちょっとだけご紹介します。
まず前提として、飾りを外して大きな骨格をみてフレーズの方向性や構造を知るというのがシェンカー理論の根本的なところなのです。
そんな大枠を見る旋律の読み方を和音を読むときに応用すると、西洋音楽の構造としては落ち着きの役割であるトニック(一度や六度)と盛り上がりであるドミナント(主に五度など)の二種類と考えるそう。
そしてその間に飾りとしてサブドミナントの色付けやオシャレをするような和音を使うという見方をするのだとか。
そう思うと落ち着きのトニックとオシャレのサブドミナント、そして盛り上がりのドミナントの3種類で見ていくよりもさらにシンプルになりますね。
そしてサブドミナントだけでなくトニックやドミナントの和音が使い方によっては飾りとしても機能するのですって。
あまり踏み込むとややこしいので今回は詳しく取り上げませんが例えばトニックの和声を「延長」して引き延ばすための素材として飾りの和音が使われるのです。
つまり「このエリアはまとめてトニック」「ここらかここまではまとめてドミナント」という見方ですね。
その例えばトニックのエリア内に四度や二度や六度があったりしてもそれは経過音的に出来た和音やちょっと寄り道してすぐトニックに戻る飾りだったり、大枠としては変わってないという読み方をするのです。
だから作品内にいくつかの構造の階層が出来ているのが見えて、大きな骨格の階層、肉をつけるような階層、表層のお化粧のような階層、というのがわかるのですね。
もちろん演奏するときもどの階層のどんな動きなのか理解できていたら抑揚のつけ方や流れの運び方などヒントになってより説得力のある演奏になっていきますね。
文字だけで解説するとちょっと難しげな感じがしてしまいますがとっても面白いものなのですよ!