ソルフェージュ 合奏・アンサンブル

客席に自分の耳を置いておけたら

客席に自分の耳を置いてきて自分の出した音が聴けたら、そんな風に思ったことはありませんか?

骨伝導で聴いている音もあるし、ステージと客席は位置もちがうし、自分で吹いていると客観的に聴くのって難しいような気がしますよね。

じゃあ、ホールで聴いているお客さんは何を聴いていると思いますか?

あなたの身体に触れて骨伝導音を聴いてるってことはありませんよね。

奏者の近くに来てベルのすぐそばに耳を寄せてるってこともあまりないでしょう。

幼稚園の音楽会などではたまにありますが(笑)

じゃあどこを聴いているでしょう。

ホールに鳴り響いてる音全体を聴いてるんじゃないでしょうか。

ステージから出てきて壁や天井や客席やドアや人間にぶつかって反響している音、それを聴いているんですよね。

ホールの音響が良いかどうか、そんなことがコンサートを聴く時に重要なのはだからこそですね。

では。

ステージにいたらその空間全体で反響している音って聴こえないものなのでしょうか?

そんなわけありませんね。

普通はちゃんと聴こえています。

もし聴こえないのであれば、自分のすぐそばで鳴ってる音や骨伝導の方が近いからそっちに気を取られて空間全体の音を聴いていないのかもしれません。

反響するものがなにもない野外やざわついた会場で本当に空間の音が自分に聴こえないときは、モニター用のスピーカーを奏者に向けて置いておくものです。

これがカエシとかコロガシとか呼ばれるスピーカーですね。

だから有名奏者のコンサートでホールの反響音ではなく生音がどんなか知りたいときはできるだけステージに近い席で奏者の眼の前で聴くのですよね。

ホールに行ったら普段練習室で自分の近くの音を聴いているときと同じ聴き方では同じようにはもちろん聴こえません。

どこに耳を向けたいのか、それをはっきりさせるだけでも結構ちがうものなのですよ!

完全無料

*ezweb・vodafone・softbank.ne.jp・hotmailからのご登録の場合、文字化けやメールの配信エラーが大変多くなっております。恐れ入りますが、それ以外のアドレスからご登録をお願いいたします。

  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

-ソルフェージュ, 合奏・アンサンブル

Copyright © 2022 聴く耳育成協会 All Rights Reserved.