何かのキッカケで奏法を変えるとき一部のクセが直ったとしたらそのほかに新たに有害なクセが生まれいないことを確かめることはしていますか?
音程が下がるからアンブシュアを少し締め付けてみよう。
指が動きやすいように右手親指を深めに楽器を支えてみよう。
そんな風に問題を解決するために奏法を工夫することってよくあることだと思います。
そんな時を思い出してくださいね。
音程を上げるためにアンブシュアをタイトにしたら変わったのは音程だけでしたか?
親指の位置を変えた時、変わったのは指の操作性だけでしたか?
音質や息の抵抗感や楽器の重さは変わりませんでしたか?
もちろん変わりますよね。
一箇所なにかを変えたら、連動して関係してる部分が変化するというのは当たり前のことです。
そして連動して変わった他の箇所はさらに関係する別のどこかに影響を与えます。
結局は一箇所なにかを変えたら全身が変化するものなんです。
ということは、一箇所なにか変えるのなら全身の動きのバランスを新たに取り直す必要があるんですね。
人の身体は常に微細にバランスを取り合いながらうまく機能するよう自動調整されているもの。
暑くなったら汗をかいて体温調節をするし、運動したら心臓がドキドキして全身に酸素を供給するのと同じ。
筋肉の運動についても同じで、この筋肉が働くならこっちは休む。
こっちが休むならあっちはもっとたくさん働かなきゃいけない。
そういうバランス調整の機能が備わっているのです。
だから物事の一部だけを変えようとするのは全体のバランスを混乱させ壊すことになるんですね。
一箇所上手く行ったら別のことが上手くいかなくなるっていうのはそういう全体のバランスを考えていないときが多いんです。
部分にフォーカスするときにも全体を俯瞰的に見る目を持つこと、大切なことなんですよ!