教えるのを仕事にしている音楽講師は、それぞれの生徒さんのその時々の状況に合わせて提案することを変えています。
でもそれは神の啓示で降りてきたものを伝えてるわけでも、無から何か発想を生み出してるというわけでもありません。
それではどうやってそれぞれに合う練習方法や改善策を考えているのでしょうか。
どんな仕事でもそうでしょうが、音楽でもこういうのはたくさんの知識や経験からのアイデアの組み合わせのことが多いです。
練習するときにトライしたこととその結果を記録しておくと良いのは、すべてのアイデアは知識と経験の組み合わせだからです。
ということは経験のないことを初めて身につけるときには、その方法はわからなくてもある意味仕方がないということ。
もしかしたら無から何かを自分で見つけ出す過程が楽しいという方もいるでしょうし、そういう場合は他人に尋ねたりしないで自分で試行錯誤する方が向いているかもしれません。
ただしその場合、目標に到達するまでにはとても時間がかかるでしょう。
もちろんそれもありだと思いますが、早く出来るようになりたかったり今すぐ解決したいという場合は、先に経験した人や目標に到達するための方法を知ってる人に尋ねるのがやはり有効です。
それは他人に依存して自分で考えない習慣をつけるのとは違って、むしろ自分で組み立てるためのパズルのピースを手に入れるようなもの。
読めない言葉の文章をどんなに気合を入れて見つめても意味はわからないけれど、どうやったら読めるのかを学んで辞書など活用すれば意味がわかるようになるのと一緒です。
以前、音大受験のための楽典試験で問題に出て来たハ音記号の読み方がいくら考えてもわからなくて、一か八かでト音記号と同じ読み方をして回答したけど不正解だった、という方がいらっしゃいました。
この方は演奏はすばらしくて実技には何の問題もないのです。
ただハ音記号の読み方を知らなかっただけなのですね。
わたしも専門外のことは潔くお金を払って専門家に頼るようにしてから物事の進むスピードがそれまでと全然変わるのを何度も体験してから「餅は餅屋」というのを実感しています。
パズルのピースを手に入れるためにレッスンを活用するというのもひとつの有効な手段ですね!