新しい楽器を買いたいという方が、同じ機種の何本かの中からご自身に合うものを選ぶ「選定」に付き添うことがよくあります。
そんな時、中高生の親御さんなど音楽にあまり詳しくない方からよく頂くご質問は「楽器は高いほど良いんでしょうか?」というもの。
値段というのはランクとか機能とイコールな部分も確かにありますが、単純に値段が高いほど良い音が出て扱いやすいというものではありません。
例えば24金のフルート、ものすごい値段ですがフルートを吹き始めたばかりの6才の子供には重すぎて鳴らせないから買っても宝の持ち腐れになってしまいます。
そういう場合は逆に軽くて鳴らしやすい、扱いやすい機種の方がオススメだったりしますよね。
これは極端な例ですが、他の楽器でも値段の高い機種では抵抗感も強く吹き込みにパワーが必要だったり、コントロールの幅が広すぎて微細なコントロールをしきれないという人には向かなかったり、というケースもあります。
また逆にクラリネットのあるメーカーの高級機種は吹き手が微細なコントロールをしなくてもある程度の良い音を楽器が作ってくれるようなシステムになっていて、どんな吹き方をしてもそれなりの音になるので普段楽器に触れる時間が少ないという方にはラクに扱えるものもあります。
でも反面そういう楽器は操作による変化が音として現れにくいので、たくさんの表情を使い分けたり音色の変化をつけたい奏者には扱いにくい面もあるのです。
またマーチングなど外で演奏することがメインになるなら、割れやすくメンテナンスに神経を使う木管よりプラスチックの楽器の方が適していたりもするでしょう。
どんな分野の道具でもそうでしょうが、値段はわかりやすい尺度ではありますが音の良し悪しや吹き心地やコントロールの可能性は値段だけではわからないもの。
もしこれから楽器を買う方の相談に乗る機会があれば参考にしてみてくださいな。