レッスン 練習 身体の仕組み

値段の高い楽器ほど良い音がする?

 

新しい楽器を買いたいという方が、同じ機種の何本かの中からご自身に合うものを選ぶ「選定」に付き添うことがよくあります。

そんな時、中高生の親御さんなど音楽にあまり詳しくない方からよく頂くご質問は「楽器は高いほど良いんでしょうか?」というもの。

値段というのはランクとか機能とイコールな部分も確かにありますが、単純に値段が高いほど良い音が出て扱いやすいというものではありません。

例えば24金のフルート、ものすごい値段ですがフルートを吹き始めたばかりの6才の子供には重すぎて鳴らせないから買っても宝の持ち腐れになってしまいます。

そういう場合は逆に軽くて鳴らしやすい、扱いやすい機種の方がオススメだったりしますよね。

これは極端な例ですが、他の楽器でも値段の高い機種では抵抗感も強く吹き込みにパワーが必要だったり、コントロールの幅が広すぎて微細なコントロールをしきれないという人には向かなかったり、というケースもあります。

また逆にクラリネットのあるメーカーの高級機種は吹き手が微細なコントロールをしなくてもある程度の良い音を楽器が作ってくれるようなシステムになっていて、どんな吹き方をしてもそれなりの音になるので普段楽器に触れる時間が少ないという方にはラクに扱えるものもあります。

でも反面そういう楽器は操作による変化が音として現れにくいので、たくさんの表情を使い分けたり音色の変化をつけたい奏者には扱いにくい面もあるのです。

またマーチングなど外で演奏することがメインになるなら、割れやすくメンテナンスに神経を使う木管よりプラスチックの楽器の方が適していたりもするでしょう。

どんな分野の道具でもそうでしょうが、値段はわかりやすい尺度ではありますが音の良し悪しや吹き心地やコントロールの可能性は値段だけではわからないもの。

もしこれから楽器を買う方の相談に乗る機会があれば参考にしてみてくださいな。

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  • この記事を書いた人

有吉 尚子

1982年栃木県日光市(旧今市市)生まれ。小学校吹奏楽部にてクラリネットに出会い、高校卒業後19才までアマチュアとして活動する。20才のときに在学していた東京家政大学を中退し音大受験を決意。2003年洗足学園音楽大学入学。在学中から演奏活動を開始。 オーケストラや吹奏楽のほか、CDレコーディング、イベント演奏、テレビドラマBGM、ゲームのサウンドトラック収録など活動の幅を広げ2009年に洗足学園音楽大学大学院を修了。受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。  及川音楽事務所第21回新人オーディション合格の他、コンクール・オーディション等受賞歴多数。 NHK「歌謡コンサート」、TBSテレビドラマ「オレンジデイズ」、ゲーム「La Corda d'Oro(金色のコルダ)」ほか出演・収録多数。 これまでに出演は1000件以上、レパートリーは500曲以上にのぼる。 レッスンや講座は【熱意あるアマチュア奏者に専門知識を学ぶ場を提供したい!】というコンセプトで行っており、「楽典は読んだことがない」「ソルフェージュって言葉を初めて聞いた」というアマチュア奏者でもゼロから楽しく学べ、確かな耳と演奏力を身につけられると好評を博している。 これまでに延べ1000名以上が受講。発行する楽器練習法メルマガ読者は累計5000名以上。 現在オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動のほか、レッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。 「ザ・クラリネット」(アルソ出版)、吹奏楽・管打楽器に関するニュース・情報サイト「Wind Band  Press」などに記事を寄稿。 著書『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』(あーと出版)を2023年8月に発売。Amazon「クラシック音楽理論」カテゴリーにて三週間連続ベストセラー第一位を獲得。 BODYCHANCE認定アレクサンダーテクニーク教師。 日本ソルフェージュ研究協議会会員。音楽教室N music salon 主宰。管楽器プレーヤーのためのソルフェージュ教育専門家。クラリネット奏者。

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